2007-01-01から1年間の記事一覧

ガンゾウ紀行その1

広州空港には、やはりLiさんが迎えに来てくれた。昆明での国際会議から戻ったばかりとのこと。大雨のことは、Liさんもニュースで知ったそうだ。空港からホテルに向かう途中もずっと雨。翌日からのフィールドトリップでは、濡れることを覚悟した。ゴアテック…

広州から杭州に到着

日本語ではどちらもコウシュウだが、中国語では広州はガンゾウ、杭州はハンゾウ。ガンゾウは台湾よりも南に位置するが、ハンゾウはほぼ屋久島と同じ緯度である。 昨日は、ハンゾウを台風がおそったそうだ。大雨だったと、空港から大学のそばのホテルにむかう…

広州での予定

Dianxiang Zhang教授にさきほどメールを送ったら、すぐに返事が届いた。明日は、助手の方が空港で迎えてくれるそうだ。たぶん、6月に北京植物園で会ったLi Shijinさんが来てくれるのだろう。 夕食を一緒にとって、17日朝からフィールドトリップに出かけよう…

中国出張

明日から中国に出張する。日程は以下のとおり。 Fukuoka (10:00 am) - Shanghai Pudong (10:30 am) MU 532 Shanghai Hongqiao (14:10) - Guangzhou (16:10) MU 5307 16日 出発 広東省広州市着・泊 17日 広州市華南植物園 広州泊 18日 陸路で肇慶市鼎湖山森林…

「最近の若い者」はいつ頃から嘆かれていたか?

昨日のブログで、 「最近の若者は・・」という愚痴は、エジプトの石版に記されているという風聞には根拠がないそうだが、かなり古い文献から見られることは確かである。 と書いたが、記憶が曖昧だったので確かめてみた。 記憶をたどって見つけた出典は以下の…

夕凪の街 桜の国

福岡は、今日が初演日である。仕事は相変わらず山積しているが、土曜日でもあるので、5時45分に研究室を出て、6時15分の回に駆けつけた。 月並みな表現だが、心洗われる名作である。こんなに豊かな、満ち足りた気持ちに包まれたのは、久しぶりである。 スト…

若者は「努力」が嫌いになったのか?

少年ジャンプの法則と言われるものがあるそうだ。「友情・努力・勝利」という3つのテーマをうまく組み込んだ漫画はヒットするというもの。少年ジャンプは以前から、この3つのテーマを盛り込むことを、編集の基本方針にしてきたそうだ。ところが最近、「努…

アサザ・サクラソウ・シバナ・サギソウが準絶滅危惧にー植物レッドリスト見直し結果公表

環境省は、「哺乳類、汽水・淡水魚類、昆虫類、貝類、植物I及び植物IIのレッドリストの見直しについて」の結果を公表した。 植物I(維管束植物)に関しては、日本植物分類学会が事業委託を受け、500名以上の調査員の協力を得て、各種・各メッシュごとに前回…

中国からの輸入食品の安全性

数日前の毎日新聞朝刊の3面に、中国からの輸入食品の安全性に関する記事があり、厚生省の抜き取り検査で摘発される違反のうち3割が中国からの輸入食品だと報道されていた。 統計的な知識がない読者がこの記事を読めば、「3割」という数字に強い印象を受け…

花粉一粒でPCR

昨日は、キスゲプロジェクトの共同研究者のひとり、Sさんに研究室に来ていただいて、花粉一粒からDNA配列を決定する「技」の実習をしていただいた。私は学内の会議(環境WG)で報告をするため、実習に立ち会えなかったが、参加者の感想を聞くと、なかなかイ…

キスゲの花炒め(2)

今日も、キスゲの花がたくさんあったので、昼食用に料理をした。しかし、失敗。 昨日はほとんどキスゲの花だけを炒めたので(もやしをすこしだけ混ぜた)、味付けをかなり濃くした。今日は、たまねぎ、ニラを加え、さらにスクランブルエッグとかまぼこを加え…

キスゲの花炒め

昨日は、雨。雨の日でも、雨が小止みになると、アゲハチョウ類もスズメガ類も飛来する。しかし、花が濡れていると、花に訪問するのを嫌がるようだ。また、訪問しても、柱頭も濡れていると、受粉したかどうかの確認が困難になる。 昨年の反省から、今年はキス…

誼和会

九大理学部には、誼和会というスタッフの同窓会がある。今日は、その誼和会の懇親会がファカルティクラブで開かれた。 事前に申し込んでおいたのだが、今日から岐阜大のKさんチームが来福されるので、今朝参加をキャンセルした。しかし、Kさんチームとは今…

キスゲの夏、到来!

ここ数日は、原稿執筆に時間を割き、懸案を片付けた。 今日は、F君に論文の改訂稿を送り、環境監視報告書を事務局に送り、さきほど懸案の原稿をNさんとB1出版社に送った。ひさびさの午前帰宅だ。 明日から、Kさんチームが九大入りし、キスゲプロジェク…

聴き歩きフィールドガイド奄美

屋久島と比べると、奄美大島の生物相には際立った特徴がある。動物の種類が豊富なのだ。 先日は、オキナワキノボリトカゲを写真で紹介した。トカゲ類では他に、足がきわめて小さなバーバートカゲを見ることができた。 ヤモリの類では、ナキヤモリの別名があ…

戻りつつある奄美の森

シンポジウムの前後に日程をとって、20年ぶりに奄美の森を歩いた。 最初に奄美大島を訪問したのは、1987年のはずである。そのときの調査結果は、以下の和文論文にまとめられている。 清水善和・矢原徹一・杉村 乾(1988)奄美大島のシイ林における伐採後の…

奄美アサギマダラシンポで講演

昨日(7月5日)は、奄美大島龍郷町りゅうゆう館ホールで開催されたシンポジウム「旅するチョウ、アサギマダラから見た奄美」に招かれ、講演した。 どうして「アサギマダラ」のシンポジウムで私が話したかというと・・・話せば長くなる事情がいろいろあったの…

キクメハシリグモ続報

期待どおり、卒業生のB君から、連絡が届いた。 「九州で70年ぶりの発見」とありますが、実は昨年大分県の中津市でも発見されています。ですので正確には福岡県新記録という形になります。また千葉県の房総半島でも最近生息地が複数見つかっており、その分布…

九大伊都キャンパスでキクメハシリグモ発見ー九州で70年ぶりの確認

今日は、嬉しいニュースが届いた。 福岡グリーンヘルパーの会のメンバーで、クモに詳しいEさんから、以下のようなメールが届いたのである。 右の写真は、メールの添付書類でお送りいただいたものである。 キクメハシリグモ(キシダグモ科ハシリグモ属) Dolome…

英霊はなぜ仏様になれないのか

松岡正剛さんの千夜千冊に掲載される書評は、なかなか読み応えがあり、更新を楽しみにしている。単なる書評をこえて、あるテーマに関するレビューとしての厚みがある。また、松岡さん独自の視点が提示されているので、考えさせられることが多い。すでに千冊…

西表石垣国立公園と丹後天橋立大江山国定公園

昨日は、中央環境審議会自然環境部会に出席し、表記の2つの自然公園を設ける提案についての議論に参加した。いずれの提案も承認された。その結果、従来の「西表国立公園」は、石垣島の公園区域を含む「西表石垣国立公園」に改称された。 石垣島の於茂登岳・…

憑神と怖い夢

「全ての人に幸せ(ツキ)を呼ぶ大型人情活劇」という宣伝を見て、つい封切り日に映画館に足を運んでしまった。結論。この映画は、ツキに見放されている人や、「憑き物」に苦しんでいるは見ないほうが良いのではないか。私は、しめきりが過ぎた仕事という「…

日本生態学会法人化に向けて定款案を作成

日本生態学会K会長による、「会長からのメッセージ」で紹介されているように、今週の土曜日は常任委員会が開かれる。 「議論しておくべき主なことは法人化のための定款作り」・・・会長にこうはっきり書かれると、やらんわけにはいかん。というわけで、定款…

ガシャモク

昨日は、わが国で最後に残されたガシャモクの自生地に出かけた。石灰岩の斜面を集水域とする小さな池に生えている。1999年までは大群落があったそうだが、2000年に激減し、現在ではごく少数の群落が残るだけである。 現地を見ていると、決して水質は悪くない…

前回の衆議院選挙結果のからくり

時間外窓口閉鎖で、いささか不機嫌な思いをしたし、世間では参議院選挙も近いので、たまには政治のことも書いてみよう。 前回の衆議院選挙での自民圧勝に関しては、開票前にこのブログで予想したとおりだった。 この結果を予想したのは、私なりの仮説があっ…

郵便局のサービス低下

急ぎの郵便物を送るために、夜間窓口のある近くの「本局」に出かけたら、夜9時なのに、窓口が閉まっていた。薄暗がりで掲示を探してみると、夜間窓口は閉鎖されていた。福岡市で夜間窓口を設けている局が掲示されており、なんと、2局だけに減らされていた…

照葉樹林の樹木の多様性

中国南部Dinghushanの照葉樹林では、九州南部に比べ、樹種の多様性がはるかに高い。 屋久島では5種しかないブナ科が、19種ある。 屋久島では6種しかないツバキ科が19種ある。 屋久島では7種しかないハイノキ科が12種ある。 屋久島では9種しかないクスノキ科…

グローバルCOE学内会議、のち、どなん

今日は、午前中にグローバルCOE次期申請予定者を集めた学内会議があり、午後は関係者の調整に時間をとられた。私は雪辱を期す敗軍の将という役回りで、なかなかにつらい立場である。 学際・複合・新領域では、友人が準備にあたった北大・東大の申請が九大と…

眉山(続)

良い映画だったとは思うが、時間が経つにつれ、「ある題材」をもう少し深くとりあげたほうが良かったのではないかという思いがつのる。 母(龍子)が「夢草会」に入会していることを知った娘(咲子)は、なぜそのような決意をしたのかをもっと知りたいはずだ…

眉山

週末は、大学院生Yさんがササユリを調査している徳島県伊島に出かけた。先月のジンリョウユリ自生地訪問に続く、徳島入りである。おかげで、徳島がずいぶん身近になった。 徳島出身のYさんの勧めもあって、映画「眉山」を見てきた。眉山というのは、徳島市の…