2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ジンリョウユリ

予想は的中した。ジンリョウユリには、他殖的な個体と自殖的な個体の多型があるのではないかと予想していた。写真の左側は、めしべとおしべが接した自殖型の個体。一方、右側は、めしべ(柱頭)とおしべに距離があり、送粉昆虫が訪花しない限り受粉しない他…

徳島へ

8時発の新幹線のぞみに乗り、岡山経由で、徳島に出かける。ウェブサイトのスケジュール表には、新キャンパス調査と書かれているが、明日・あさっては、徳島に滞在する。 4月に他大学から大学院博士課程に入学したYさんが、徳島固有の植物を研究している。そ…

屋久島の植物のニッチ分化

今日は大学が停電なので、家にこもって講演の準備をした。3-7日に北京で開催される、Evolutionary Biology in the 21st Century‐Tracing Patterns of Evolution through the Tree of Lifeというシンポジウムで30分の基調講演をしなければならないのだ。参加…

トキはなぜ減ったか?

今日の午前中は、中央環境審議会野生生物部会に出席した。議題は、トキの野生復帰のために、佐渡東部の国指定鳥獣保護区を拡大する提案だった。この提案自体にとくに反対する理由はないのだが、本土から移入されて増えているホンドテンなどを駆除して生態系…

「パッチギ!」は、わかんね。

先週の金曜ロードショウで放映されたので、録画をしておいた。これまでこの映画にまったく興味がなかったのだが、「ノラネコの呑んで観るシネマ」さんが、「ゲゲゲの鬼太郎」の脚本に対して、次のように書かれているのを読んで、少し興味を持った。 この小学…

イントロダクションの書き方

昨日の午後は、大学院生の論文原稿を読んで、コメントを書いた。以下は、その抜粋である。 論文を書くうえでは、まず、次の3項目を箇条書きに整理することを薦めます。 (1) 結果 (2) 結論 (3) 結論の意義(セールスポイント) そして、結論に対応する…

論文イントロの書き方(予告)

「これポ」(ISBN:9784320005747)は科学論文を書くうえでも役立つようだ。院生のブログにこう書かれていた。 「これポ」を生協で買ってきてよんだ。「イントロ折り紙」に初めて挑戦してみたのだが、これがとてもよかった。イントロで書くべきことが何かいつ…

議論のしかた

わけあって、久しぶりに「議論のしかた」のサイトを訪問し、友人に紹介した。 数年前、議論がまったく通用しない人を相手にすることになり、どう対処すべきか困惑したことがある。そのときにこのサイトを知り、非常に参考になった。 とくに、次の説明には、…

総説原稿執筆完了

「花香と花色−キスゲとハマカンゾウの種差の遺伝的背景を探る」と題する総説原稿をやっと書き上げた。日本植物分類学会賞受賞講演で話した内容のうち、キスゲプロジェクトに関連する部分にしぼり、最新のアイデアを書き込んで仕上げた。 今朝、最後の仕上げ…

作文三昧

今日は、九大での学振提出締め切り日。最後の評価書を書いて、提出した。 トラックバックなどを見ると、「日本語ライティング」を読んで、書く順番を変えるなどの工夫をした人がいたようだ。賢明な選択だ。学振の申請書では、面白い文章を書く必要はない。論…

調べて書く技術と発想法

調べて書くプロセスでは、いきなり論文形式をめざしても、うまくいかないことが多い。これは、5年間、少人数ゼミで一年生を教えた経験からの結論である。 昨日のブログでこう書いた。今日は、ではどうすればうまくいくか、という問題について考えてみたい。 …

瀬名さんは「これポ」を絶賛ー評価は私と正反対

瀬名ブログのひとつ「瀬名秀明の時空の旅」で、「これポ」が絶賛されている。評価するところ、しないところが私と正反対なので、興味深く拝見した。 とてもよいと思うこと。まずレポート・卒論は学術文書であると明確に定義、感想文や作文の類ではないと述べ…

読みやすい文章の書き方

読みやすい文章の書き方を学びたいなら、下記のサイトをお勧めする。 日本語ライティング このテーマについて解説したサイトは山ほどある。たとえば、下記にリンクされているサイトをひととおり見るだけでも、おなかがいっぱいになるに違いない。 日本語技法…

学振の申請書を書いている人は「これポ」第3部を読もう

卒論生にとっては待望の書「これからレポート・卒論を書く若者のために」が発売になったのに、3日のブログではのっけから悪口を書いてしまったようで、どうも後味が悪い。良いところはもっと褒めないといかんと反省し、もういちど本書について取り上げること…

「これポ」は卒論向け、レポート執筆用にはミスマッチあり

酒井聡樹著『これからレポート・卒論を書く若者のために』(ISBN:9784320005747)を献本していただいた。その感想を書く。 結論を先に述べよう。この本は、これから卒論を書く人にはお勧めの一冊である。ぜひ読んでほしい。しかし、大学1-2年生がレポートを…

ワクワクしないイノベーション

久しぶりに総合科学技術会議のサイトを開いたら、「イノベーション創出の鍵とエコイノベーションの推進」(中間報告)」という文書が公開されていた。「エコイノベーション」というフレーズに興味を持って、文書を開いてみた。 第一章:先進事例に学ぶイノベ…

年を間違えた!

喜んでよいのかどうか微妙なのだが、今日からの私の年齢は、54歳ではなく、53歳だった。過去一年のどこかで、勘違いをしてしまったようだ。それだけ忙しい一年だったということか。 一年分得をしたような気もするが、自分の年すら忘れるようになってしまった…