映画

君の名は。

プノンペン行きの機内でついに見れた。ありがとう、全日空! 物語についての事前の情報は、男の子と女の子の体が入れ替わるという設定からは想像もつなかい、人の思いの強さを描いた感動作だということだけ。空前の大ヒット作になっているにもかかわらず、情…

2015年に見た映画ベスト5

あくまでも私が見た映画のベスト5です。 1位:幕が上がる 2位:ヒックとドラゴン2 3位:スターウオーズ・フォースの覚醒 4位:リトルフォレスト 冬・春編 5位:ブックオブライフ〜マノロの数奇な冒険「幕が上がる」は長く語り継がれる映画になると思います…

ヒックとドラゴン2

クアラルンプールに向かうJAL機内で、待ちに待った二作目を観た。傑作の一作目を上回る大傑作だ。一作目のエンディングで感じた違和感も解消された。すばらしいよ。一作目は、ドラゴンと人間が争う世界で、傷ついたドラゴンのトゥースレスをヒックが助け、仲…

リトルフォレスト 冬・春編

まずは夏・秋編のおさらいをしよう。私は夏・秋編について以下のように書いた(http://d.hatena.ne.jp/yahara/20140923)。 「さしたるドラマがあるわけでもないこの映画は、見る人を選ぶだろう。私はと言えば、護岸されていない小川が流れる山村の風景にま…

幕が上がる

幕が上がるを見た。試写の評価が高い理由がわかったよ。特にこれといって盛り上げる作り込みがない原作を胸に突き刺さる映画にしたのは、さおり役の百田さんの表情とセリフ。脚本の力ももちろんあるが、百田夏菜子恐るべし。大林監督が、愛おしいほどの女優…

『くちびるに歌を』

中田太一の青春小説『くちびるに歌を』が、新垣結衣主演で映画化(http://kuchibiru.jp/)。『幕があがる』と同じ2月28日公開。こちらは合唱部。そしてあの、アンジェラアキの名曲「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」が軸となる物語。いいなぁ、この部活青春映…

幕が上がる

筑肥線車中で「幕が上がる」を検索したら、平田オリザさんの昨日のブログがヒットした。「本当に美しい出来になりました」とこの人が言うのなら、間違いない。また、「『桐島、部活やめるってよ』のシナリオを書いた喜安浩平さんの台本が、本当に素晴らしく…

リトル・フォレスト

さしたるドラマがあるわけでもないこの映画は、見る人を選ぶだろう。私はと言えば、護岸されていない小川が流れる山村の風景にまず魅了され、オオウバユリが咲き並ぶ道を自転車で走り降りる疾走感に心をはずませ、ストーブの置き火で焼かれたおいしそうな自…

「銀の匙 Silver Spoon」「抱きしめたいー真実の物語」「神様のカルテ2」

矢原@クアラルンプールです。成田からの機内では、邦画を3本観ました。「銀の匙 Silver Spoon」「抱きしめたいー真実の物語」「神様のカルテ2」・・・3本連続で涙を流すなんて、めったにない。「アナ雪」の大ヒットのせいで、邦画の影がすっかり薄くなって…

『アナと雪の女王』(原題:frozen)

矢原@インチョン国際空港です。日本では14日から公開される『アナと雪の女王』(原題:frozen)をロンドンから戻る機内で見ました。いやぁ、評判にたがわぬ名作です。クライマックスで、一度目は涙があふれ、結末を知ってから見た二度目でも、涙がにじみま…

風立ちぬ

「風立ちぬ」をやっと観ました。[ネタバレ放題です。映画を観る前にストーリーを知りたくない方は読まないでください。セリフは一回観ただけの記憶にたよって書いているので、正確ではありません。]えっ、これで終わり? そう思った人が多かったのではないか…

三丁目の夕日第3作

太平洋上(AA機内)でやっと見ることができた。評判が良いので映画館で観たいと思ったのだが、今年の1-3月のスケジュールの中でその時間を見つけることはとうとうできなかった。 第3作は、六ちゃんと淳之介の自立の物語だと聞いていたが、なるほどこうい…

ももへの手紙

主人公の少女ももは、親子3人でコーラスの演奏会に行くのを楽しみにしていた。しかし海洋生物学者の父親は、約束の日に、約束を反故にして、調査に出かけてしまう。悔しさのあまり、ももは父親に、「もう帰ってこなくていい」と言い放った。そしてそれが、父…

Rango, bien hecho!

さすがに煮詰まったので、気分転換に映画を観てきた。この秋は、豊作。「はやぶさ」、「エンディングノート」、「モテキ」も候補に考えたが、選んだのは、「ランゴ」。西部劇ファン、アニメファン、パイレーツファンで、動物好きの私としては、この映画を見…

君が踊る、夏

8月お盆明け以来の出張スケジュールが一段落したので、昨日は、大学院生の論文原稿改訂のために、関連論文をレビューした。出張疲れもあって夕方には集中力が切れてきたので、たまったポイントを使って映画を観てきた。疲れがたまっている状態だったので、選…

ヒックとドラゴン

既にクラシックの風格を持つ傑作、いくらほめてもたりないほどの傑作、「トイストーリー3」よりも面白いという評判を聞いては、見ないわけにはいかない。というわけで、8月末のワークショップの準備が終わった時点で、レイトショーを見てきた。確かにすばら…

「トイストーリー3」と「借りぐらしのアリエッティ」

同じアニメ映画だが、この2作はきわめて異質だ。両者を比べるのは、「スターウォーズ」と「寅さん」を比べるようなものだろう。人気投票をすれば「トイストーリー3」により多くの票が集まるに違いないが、「借りぐらしのアリエッティ」には「トイストーリー…

書道ガールズ

「好きなもの、大切なもののために、がんばりたい。」・・・里子のこのセリフに、とても元気づけられた。 厳格な書道家を父に持つ高校生早川里子(成海璃子)は、書道コンクールに入賞経験のある実力者だが、書道を楽しいと思ったことがない。いつしかコンク…

サマーウォーズ

3年前、「時をかける少女」で夏の話題をさらった細田守監督の最新作。「時をかける少女」では、ヒロイン真琴の元気さがまぶしかった。今回も、女子高生の夏希が活躍するが、彼女の主たる活躍の舞台は、OZというバーチャル空間。OZは世界中の10億人以上が利用…

鴨川ホルモー

Yahoo映画レビューなどでの投稿者の評価は高く、レッドクリフIIをしのいでいる。しかし、この高得点は原作に負うところが大きいと思う。原作ファンとしては、残念ながら原作の良さを生かしきれていないと感じた。「映画としてやれることはやりつくしている。…

「鴨川ホルモー」−バカバカしさを究めるエネルギー

京都に滞在した週末には、ひさしぶりに鴨川べりを歩いた。出町柳の上流側ではちょうど桜が満開であり、下鴨神社の緑、鴨川のせせらぎとのコントラストが心地よかった。鴨川の水は、北山の雲が畑に発し、およそ13kmを流れて出町三角州に至る。ここで高野川…

おくりびと

「おくりびと」は、「ヤッターマン」とは対極にある映画だ。観ていて、静かな涙が止まらない。 感動作が扱うテーマにはいくつかのパターンがある。友情の勝利、感動の再会、愛する者への献身、永遠の別れ、そして未来への希望。この映画にも、愛する者への献…

ヤッターマン

日曜日には、「ヤッターマン」と「おくりびと」を観た。 この2本を続けて見る映画ファンは、まずいないのではないだろうか。実際、「ヤッターマン」の観客といえば、日曜日ということもあり、親子づればかり。一方の「おくりびと」は、シニア世代ばかりだっ…

ハッピーフライト

今日は、天草臨海実験所との合同セミナーから3時過ぎに大学に戻り、5時から久しぶりに映画を観てきた。この間、映画を観るどころか、ブログを書く暇もない毎日が続き、さすがに疲れた。このブログを書いているレッツ・ノートを、アスファルト道路に落とすと…

ダークナイト(続):バットマンはなぜジョーカーを殺せないか?

朝早く眼が覚めると、「ダークナイト」のことを考えていた。鑑賞から数日経っても、バットマン、デント、そしてジョーカーという3人の人物像についての強烈な記憶がよみがえる。恐ろしい映画である。 ジョーカーはバットマンが戦う敵であり、究極の悪である…

ダークナイト

ネタばれなしには書けないので、筋書きを知りたくない人は読まないように。 バットマンシリーズの最新作なのだが、タイトルにバットマンの名はない。このタイトルは、シリーズ中の一作ではなく、独立した作品であることを宣言している。 この作品で描かれて…

ゲド戦記再見とポニョへの期待

今日は都内で会議に出て、午後に福岡に戻った。伊都キャンパスでミゾコウジュ移植地の草刈りをして、「市民の手による生物調査」チームの夜の観察会参加者に挨拶をしたあと、研究室に戻り、急ぎの依頼に対応した。いまは、地下鉄ホームで、電車待ち。 昨夜は…

「隠し砦」と「つぐない」

今日は出勤して自然再生ハンドブックの仕事をするつもりだったが、大学は停電のため、夕方まで仕事ができない。休養をとれという天命だと勝手に解釈して、映画を見に出かけた。たまには日曜日に休養しなければ、体が持たない。 まずは、「隠し砦の三悪人 The…

テラビシアにかける橋

誰しも生きていれば、大切なものを失うことがある。それは深く愛した人との別れかもしれないし、親友との死別かもしれない。しかし人はその悲しみをのりこえたとき、もっと大きな心を手に入れることができる。この普遍的メッセージをテーマに作られた、少年…

ハーフェズ ペルシャの詩

昨日、午前中から上京して、恵比寿の写美ホールで見てきた。 まず、月並みな感想を3つあげる。 1 映像も言葉も、美しい。これはまぎれもなく、「映像詩」である。 2 難しい。イスラム文化の背景を知らなければ理解できないことが多い。 3 麻生久美子の出…