2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

シカ肉を流通させるうえでのハードル

自宅に戻り、風呂をあびたところ。東京に出張するほうが、いつもより早く帰宅できるのは、皮肉なものだ。 さて、シカを食糧として資源化するうえでのハードルは、食品衛生法である。この法に定められた基準を満たす施設で解体された肉しか、食品として流通さ…

国立公園のシカ問題

今日は、東京を日帰り出張。午前中、学内の会議に出たあと、上京して、自然環境研究センターに出かけ、国立公園のシカ問題に関する意見交換会に出席した。環境省スタッフも参加しての会議である。 知床・大台ヶ原・屋久島のシカ問題に関係している研究者が集…

「公共財」に関する論文検索

九大では google scholor が電子ジャーナルにリンクされたという記事に対して、aoiさん、moijさんからコメントがあった。情報利用度への大学間格差については、今後、関心が高まるに違いない。 google scholor はオープンリソースなので、誰でも使える。これ…

研究優先の週末出張

珍しく、週末にブログを書かなかった。出張していたにもかかわらず、である。 今回の出張は、メキシコのステビアに関する共同研究プロジェクトの研究会。メキシコのステビアでは、無性生殖が繰り返し進化している。性の意味を探るうえでは、格好の研究材料で…

道央道は外来種天国

空港連絡バスで、森林総合研究所に向かう途中である。レブンアツモリソウ検討会参加のために、4月上旬にこのバスに乗ったときには、まだ雪が残っていた。今はもう、すっかり若葉が茂り、フキも大きな葉を広げている。一見すると心地よい光景だが、よく見ると…

Google Scholarと九大図書館のサービスが連携

千歳空港についたが、次の札幌市内・円山ターミナル行きバスの発車まで40分あまり待ち時間があるので、メールをチェックしたあと、九大のウェブサイトの情報をチェックしていたところ、耳寄りの情報を見つけた。 日本初! Google Scholarと図書館のサービス…

教養教育の行方

昨日書いたブログを、全学共通教育改革の作業委員の方にお知らせした結果、丁寧な返事が届いた。その結果、どのような議論を経て、どのような改革案がまとまったかについて、およその理解ができたように思う。まずは、丁寧な返事を下さった委員の方に感謝し…

人間性をめぐる5冊の本

現在、「地球と生命」という全学共通教育(かつての教養教育)のコア科目を担当している。全学共通教育の中で、「地球」や「生命」をとりあげることは、時代の要請に応えていると思う。しかし、たった6回程度の授業で、「生命」についての基礎知識を教えるこ…

九重タデ原湿原プロジェクト

今日は、九重町長者原にあるタデ原湿原に出かけた。タデ原湿原は、九州ではじめてラムサール条約に登録される予定の湿原である。地元には、湿原を守る会があり、活発に活動しているそうだ。セブンイレブン緑の基金では、タデ原湿原守る会や環境省と連絡をと…

家田川の藻刈り

昨日は、宮崎県北川町家田川の「藻刈り」を手伝った。家田川は、湧水地から水田をぬって、北川本流に流れこむ、小川である。数千株のヒメコウホネが群生しており、さらに最近発表された新種であるハタベカンガレイや、キタガワヒルムシロと仮称されているオ…

週末は野外調査

昨夜は、空を飛ばず、車を4時間あまり運転して、延岡まできた。今日は、北川の河川敷で、植生調査である。 これから調査だと思うと、大学の門を出て、高速の入り口に向かうだけで、気持ちにゆとりができる。大学にいると、時間とともに流れ去る仕事の只中に…

科学がきらわれる理由

オーバーポスドク問題に関する長いブログ(「柳田さんへの手紙」)に対して、「熱い議論」は起きなかった。「専門馬鹿がなぜ悪い」と題してブログを書いたときとは大違いである。これは、予想どおりの結果だった。 「専門馬鹿がなぜ悪い」と題したブログに始…

柳田さんへの手紙

OD

柳田充弘 さま同じ生物学の研究に身を置くものとして、柳田さんのブログを、興味深く拝読しています。日ごろの「口の悪さ」は影をひそめ、若者に真剣に語りかけられている様子が、私には印象的です。 今日は、6月9日の「『過剰な』ポスドクについて」以来…

梅雨知らずの週末はウシガエルの難

金曜日は、東京での会議が急に取りやめになったので、新キャンパスに出かけて、林床移植地の調査をした。この日、北部九州は入梅したが、夕方までほとんど雨は降らず、調査に汗を流せた。金曜の夜は雨だったが、朝にはあがり、土曜日も調査。今日は、ときお…

外来種2次選定問題

環境省の担当の方と電話で話をした。済んでしまったことは仕方がないので、次回からは、欠席する委員には事前に説明し、意見を言う機会を作ってほしい。会議運営の基本である。 9日の会議は、各分類群の選定委員会の座長会で、専門家会議と呼ばれるている。…

特定外来生物第2次選定

今朝の毎日新聞を見て、びっくり。話題・ひと・暮らし欄に、「ウシガエル、カダヤシなど新たに29種 『特定外来生物』輸入・飼育禁止 環境省」という記事が出ている。外来生物法にもとづく「特定外来生物」の2次選定に関する報道である。 記事の本文には、「…

今津干潟合同調査終了

3日間にわたる、今津干潟の合同調査が終わった。夜7時すぎから、打ち上げ。学部をこえた集まりなので、日ごろの研究室での会話とは違った刺激が楽しめる。昨年同様、深夜まで盛り上がり、1時半ころにようやく片付けが始まった。当然のことながら、タクシー帰…

質問をしない大学生・新聞を読まない大学生

今日は、六本松キャンパスに出かけて、マスプロ講義を2つこなした。コア教養科目「地球と生命」と総合科目「環境科学概論」。いずれも、200名規模の受講生が相手である。このようなマスプロ講義では、教官が一方的に話す場合が多い。しかし、それでは学生は…

カブトガニとゲンジボタル

今日は、今津干潟の調査に出かけた。理学研究院天草臨海実験所、私が所属している生態科学研究室、工学研究院の河川工学関連の2つの研究室、比較社会文化研究院の保全遺伝学研究室、農学研究院水産実験所のスタッフ・学生が参加する合同調査である。2回目の…

学部教育と大学院教育の比重

今日は、午前中は朝日新聞の取材に応対。ヤクシカが増加し、絶滅危惧植物が天然記念物(ヤクシカ)に食われている問題について、研究成果を聞かれた。取材には、誠実に応じたつもりである。 午後は、研究室セミナー。そのあと、ポスドクの論文原稿をレビュー…

どんぐりの森植樹祭と新キャンパス植物調査

今日は、九大新キャンパスに出かけた。福岡グリーンヘルパーの会では、小中学生に呼びかけて、九大新キャンパスの森でどんぐりを拾い、苗を育て、造成工事でつくられた斜面(のり面)に苗を植え戻して、森を再生するとりくみを進めている。名づけて、「どん…

大学教官の専門性への対価(続)

昨日のブログに対するスーパーTSさん、shimotsukiさんのコメントに応え、取材の「対価」と教育評価について考えを述べたいと思います。 発明・発見に対する取材に関しては、当事者は報道による「宣伝」という対価を受け取ると考えるのが妥当だと思います。受…

大学教官の専門性への対価

5月31日のブログで、「専門的知識提供への対価」について問題提起をし、「理系白書ブログ」にトラックバックを送った。これに対して、元村さんが6月1日のブログで応えてくださったので、長い議論が起きた。この問題について、もう少し考えてみたい。 問題を…

外来生物法施行

本日、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(外来生物法)が施行された。環境省では、41名の「特定外来生物被害防止取締官」を発令した。取締官には、飼養等許可者への措置命令や立入検査等の権限が委任される。今日からは、許可…