新年のあいさつ

1分 · プライバシー設定: 公開 あけましておめでとうございます。年末以来、30属についての分子系統解析の結果を一挙に報告する超大作論文の原稿を書き続けています。さきほど10属目の原稿を書き上げました。これで30属のうち3分の1についての原稿が完成しま…

ペーボ博士ノーベル賞受賞おめでとうございます

「決断科学のすすめ」でペーボ博士の研究成果を紹介しています。いくつかの節に分けて人類の歴史について書いていますが、第4章第一節を転載します。他の節について関心がある方は、「決断科学のすすめ」をぜひご一読ください。 第4章 私たちはどこから来て…

生物多様性と自然共生圏構想に関するシンポジウム

以下のとおり、3月26日に生物多様性と自然共生圏構想に関するシンポジウムを開催します。これは、九大および私(矢原)が現在仕事をしている九州オープンユニバーシティ・福岡市科学館が、糸島市などと連携してスタートさせる新プロジェクトのキックオフシン…

飛沫感染・空気感染・エアロゾル感染の基準のあいまいさ

飛沫=飛沫粒子=droplets, エアロゾルaerosols=エアロゾル粒子aerosol particlesという用語の使い方について襟を正したうえで、飛沫感染・空気感染・エアロゾル感染の基準のあいまいさについて、私が理解していることを書きます。もし間違いがあればご指摘…

エアロゾルの定義

飛沫はエアロゾルだとツイートしたら、それは違うというご指摘を受けて、「飛沫はエアロゾル」という強情な記事を書きました、しかし、エアロゾルに関して私の理解が適切でないことが判明したので、記事を全面改訂します。 私は個々のエアロゾル粒子をエアロ…

大濠公園の景観

大濠公園美術館周辺には在来種カンサイタンポポが自生しています。水路や樹林もあります。このエリアの景観の動画を撮ってきて、インスタグラムにあげました。 View this post on Instagram A post shared by 矢原 徹一 (@tetsukazuyahara) www.instagram.com

楽観的な人ほど予防行動をしていない

新型コロナウイルス感染症流行下の心理的状況・予防行動と性格の関連について調べた研究の結果が、昨日PLOS ONE誌に公表されました。 -https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371%2Fjournal.pone.0235883&fbclid=IwAR04m79ME4RkuB4ja05wQTGRQp6x…

66歳になりました

今日で66歳になりました。 幸い、若い人と一緒に山に登って、沢の岩の上を飛び歩いたり、崖をのぼったり、道なき道をやぶ漕ぎしたりできる体力がまだあります。この体力を維持して、あと10年は現役野外研究者を続けたいと思います。 当面、70歳までの5年間で…

退官記念シンポジウム開催に関する判断

3月22日開催予定のシンポジウムに関して、関係者に以下の連絡をしました。3月15日に九大で開催予定の講演会についても、同様に3月1日に判断したいと考えています。 ----- 新型コロナウイルス感染の拡大についてご心配のことと思います。 感染拡大にともない…

新型コロナウイルスに市民はどう備えれば良いか?

昨日新幹線車中で連投したツイートをまとめました。 〇感染経路不明の新型コロナ感染者が各地で確認され、感染の広域化はもはや事実。この段階では市民が流行拡大を防ぐために協力することが大事だ。移動中の時間を利用して私が適切と考える市民の防衛策を提…

新型コロナウイルスに関する信頼できる講演のメモ

新型コロナウイルスに関して、尾身茂・地域医療機能推進機構理事長が日本記者クラブで講演されている。 https://www.youtube.com/watch?v=yaHNRM1pFbs&feature=youtu.be 私がこれまでに接した専門家の提言の中でもっとも信頼できると考える。その理由は、楽…

テオプラストスの植物誌の先見性

昨日ツイッターに投稿した記事を転載します。 テオプラストス「植物誌」が届いたので夕食後に読み始めたが、驚きの連続。さすがはアリストテレスの弟子だ。「動物誌」を書いた師にリュケイオンの学長を任されたのも納得。イチジクからイチジクコバチが出てく…

西欧的自然観と日本的自然観

1月7日に環境省「次期生物多様性国家戦略研究会」第一回が開催され、「2050年の自然との共生の実現(案)」に関する議論が行われるそうです。 この研究会に先立ち、GFBさんは「里山ナショナリズムの源流を追う 21世紀環境立国戦略特別部会資料から」を公表し…

「里山ナショナリズムの源流を追う」へのコメント

GFBさんの力作「里山ナショナリズムの源流を追う 21世紀環境立国戦略特別部会資料から」がnoteに公表されました。 https://note.com/gfb/n/n480031b828bc この記事を読んでまず気づかされたのは、私が政府の政策にコミットする機会はまったくなかったこと。…

3連休の記録:結婚祝賀会・マテバシイの多様性解析・論文3編改訂

3連休が終わりますね。みなさん、どう過ごされたでしょうか。私は土曜日は教え子の結婚祝賀会に出ました。研究指導したことに加え、決断科学大学院プログラムで苦楽を共にしたKさん。私が決断科学大学院プログラムをコーディネートしたことで、二人の人生を…

グリホサートの発がんリスクは低い

大隅典子さんが「消費者が動かした ダイソー“発がん性農薬”販売中止の英断」という記事をツイッターで拡散されていますが、私は除草剤としてグリホサートを通常の使用量で使うことによって発がんリスクが高まる、という科学的証拠は脆弱だと判断しています。…

クアラルンプールを経てブルネイから屋久島へ

6月25-27日にはクアラルンプールでアジア太平洋地域生物多様性観測ネットワーク(APBON)第11回ワークショップを開き、共同議長のひとりとして、新作業計画策定などの議論に対応しました。来年には第15回生物多様性条約締約国会議が昆明で開催され、ポスト愛…

論文を書くのはしんどいけど楽しい

論文を書き続けるのは、道なき道をかきわけて山に登るのに似ていて、しんどいですね。ここしばらくは、おいしげった藪をこいで、力づくで前に進むような論文執筆作業を続けています。見通しが効かず、どちらに進んで良いかわからず、少し進んでは引き返して…

順応管理と社会学習に関する文献

”Decision Science for Future Earth"という英文総説(コンセプト論文)を急いで仕上げる必要があり、かなり頑張っています。引用する必要があって海外発注していた以下の本が届きました。 Gunderson et al. (1995) Barriers and Bridges to the Renewal of …

「里海資本論」への疑問 海水を浄化しているのはカキ筏だけじゃないだろう

「里海資本論」を読んで気づいた疑問点について書きます。「里海資本論」には、カキの浄化機能はすばらしいという記述があり、カキ筏によるカキの養殖が瀬戸内海を浄化していることが強調されています。ここで言う「浄化」とは、カキが成長する過程で赤潮の…

「里海資本論」の危うさ

「里山資本主義」に続いて「里海資本論」という本が出版されていることをtwitterで知り、昨日九大生協で買って読みました。2015年の出版ですね。数日前まで知らずにいました。 この本は、科学の本ではなく、著者の社会ビジョンを述べた本です。このような社…

情緒的な「里山」概念の危うさ2

22日に書いた記事には、たくさんの訪問があり、このテーマに関心を持つ人が多いことがわかったので、続編を書きます。 情緒的な「里山概念」という表現を見て、そうだそのとおり、と思った方と、やや不愉快な気持ちになられた方がいらっしゃるのではないでし…

情緒的な「里山」概念の危うさ

GFBさんのツイート(https://twitter.com/MC_sashiba/status/918463407363260416)で、トキやコウノトリの野生復帰をめざす事業が行政の後押しも受けてやや前のめりになっていることを知りました。ツイートにリンクされている行政文書を斜め読みして、とりあ…

屋久島の豪雨

https://yahara.hatenablog.com/archive/2019/05/19 日記Zのほうに記事を書きました。

適応的共同管理(続)

その後、いくつか重要な最近の論文を発見しました。 Cosens BA, Gunderson L & Chaffin BC. (2018). Introduction to the special feature practicing panarchy: assessing legal flexibility, ecological resilience, and adaptive governance in regional …

適応的共同管理

いま書いている英文総説を完成させるために、Adaptive co-managementに関する論文を集めて読んでいます。新たに得たいろいろな知識を整理するために、文章化してみることにしました。昨日まで、英語で読んで英語で書いてきたのですが、ちょっと思考が袋小路…

空飛ぶ教授のエコロジー日記Zに書いた記事一覧

はてなブログへの移行期間に移行手続きをしなかったので、「空飛ぶ教授のエコロジー日記Z」を新たに開設して、そちらに記事を書いてきました。しかし、「空飛ぶ教授のエコロジー日記」(Y日記)のはてなブログへの移行が完了したので、今後は2005年以来のブ…

新年度の抱負

いよいよ2018年度がスタートした。私はこれで、定年まであと2年になった。 5月1日で64歳になるが、先週もベトナムの山に登って、若い人と一緒に調査をしてきた。多少は弱ってきたかもしれないが、今の調子ならあと5年、70歳までは問題なく野外調査ができそう…

2018年度スケジュール表

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1UIw736v9bYMOYVEolwv3MSeTWm1J9nOje4k_EVYLCtU/edit#gid=346542326 これでアクセスできるはずですが、念のためツイッターのアドレスにもリンクしておきます。 https://twitter.com/TetYahara/status/97336849478695…

財務省報告80ページ全文

朝日新聞のウェブページに財務省報告80ページ全文のpdfが掲載されています。報道はこうあるべきです。このpdfのダウンロード数を表示すればもっと良いと思います。みなさん、ダウンロードして読みましょう。ここまで大幅に改ざんされているとは思いませんで…