2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

なぜ人はヘビをこわがるのか?

先週の土曜日は、夕方に東京から戻り、新キャンパス生物多様性保全ゾーンでの夜の観察会に参加した。元岡「市民の手による生物調査」チームの企画で、ヘビに詳しいHさんを講師に招いて、ヘビを観察した。風がなく、蒸し暑く、絶好のヘビ日和だった。 Hさんは…

花色を決める「三役」がそろった

今日は日曜日「なので」、研究に専念。サバティカルをとっているとは言え、平日は、目前のしめきりとスケジュールに追われる毎日である。明日は9時からプロジェクトミーティング、10時から学内の会議、1時からセミナー、6時から生協理事会、夜は急ぎの報告書…

ジーコ監督の言葉

「信念を持ったチームを作りたい、一人ひとりが誇りを持てるような」 4年前にジーコ監督は、チーム作りの方針をこう表現したそうだ。報道で知る限り、ジーコ監督はこの方針を貫いた。細かな戦術指導や技術指導よりも、個々の選手に対して、個人的な技量を高…

花色の遺伝子研究が大きく展開

花の色は、近縁種間でもしばしば大きく異なる。私たちが研究しているキスゲ属の場合、ハマカンゾウは赤い花をつけるが、キスゲ(ユウスゲ)は黄色い花をつける。これは、ハマカンゾウの花ではアントシアニンという赤い色素が作られるが、キスゲでは作られな…

異を唱えることの意義(補足)

2日前のブログで、「自由に異を唱えられる文化が、これからの時代には必要とされていると思う」という主張に続けて、次のように書いた。 もちろん、異を唱えるには、大義が必要だ。個人的な価値観で異を唱えても、誰も支持しない。また、異を唱えた以上、そ…

研究拠点形成ヒアリングが済んで黒猫ワイン

今日は、P&P「生物多様性の保全と進化に関する研究拠点形成」最終年度のヒアリングだった。P&Pというのは、学内予算による科研費のようなものである。私が受けているのは、A typeといって、新しい研究センターや専攻などを準備するための予算枠である。 九大…

異を唱えることの意義

今日は、新キャンパスの緑地管理WGコア会議のあとで、嬉しい報告を受けた。 造成で削られる予定の尾根を残す修正案を検討したところ、用地面積を減らさず、しかも造成費用をかなり大幅に削減できる解がみつかったという知らせである。なぜそんなことが可能に…

QTLが表現型に与える効果

大学にいると仕事が進まない。午前中は会議、午後はセミナー、それから21日の学内ヒアリング用パワーポイントファイルを完成させて研究戦略課に届け、夕食をとり、大学院生とミーティングをし、急ぎのメールを片付けたら、9時すぎ。ここでくじけると、論文が…

トレードオフ再考

日本生態学会誌「エコゲノミクス」特集の総括論文原稿の修正をほぼ終了した。IさんやKさんからのコメントを考慮して、「トレードオフとは何か」というセクションを加筆した。字数にして約2000字。たいした分量ではないが、新たに文献を読み込む必要があった…

「道」とは、不思議な言葉である。あるときは人を心強くさせるし、あるときは不安にさせる。だから、多くの歌に歌われてきたし、多くのことわざにも使われてきた。 フリー引用句集「ウィキクォート」で「道」を調べると、感慨深い引用句や格言が列記されてい…

沖縄大学院大学用地視察(続)

昨夜沖縄から戻り、今日は沖縄科学技術大学院大学(仮称)整備事業の資料にあらためて目をとおし、視察の報告を書いた。月曜日に、日本生態学会や日本植物分類学会の関係者に送り、意見を聞いたうえで、事業者側に提出する予定である。 要点は、以下のとおり…

沖縄大学院大学用地視察

昨日は、沖縄大学院大学用地を歩いた。尾根上に発達したオオマツバシバを伴う特殊な小湿地は、非常にユニークな植生である。ナガバアリノトウグサの生育環境も、はじめて見た。このような尾根の湿地を避け、なおかつ、イボイモリの生息地があり、希少植物も…

リーダーの条件

kab-logさん、ことS舎長が、「リーダーの条件」というタイトルでブログを連載されており、最新の記事は9回目である。これにコメントしたために、私のブログでリーダーについての見解を披露せざるを得なくなった。 まず、これまでにS舎長に私が書き送ったコメ…

特別研究員採用率と修了者の就職状況

「学振特別研究員は常勤研究職への近道」で紹介した資料と私の予想を、「学振DC/PC採用率と学振DC/PC終了者の就職状況の変化」と題して、私のウェブサイトに載せた。 リンクのページの、「オーバーポスドク問題関連資料」のセクションで、リンクを設定してお…

トレードオフとは?

日本生態学会誌特集の論文原稿を読んでもらったIさんや、Kさんから、トレードオフと、形質間の負の遺伝相関とは、異なるというコメントをもらった。確かにそうなのだが、トレードオフの実態は何かという点に関しては、いまでも混乱がある。この点を考慮に入…

防備録

JAL機内。上昇時にはいつも、うとうととまどろむ癖がある。ふと目がさめると、差し迫った仕事が次々に意識に浮かぶ。目がさめるとき、ライブラリーの探索機能が自動的に発動するようだ。 P&P「生物多様性研究拠点」分担者に、ヒアリングのpptファイルを送り…

鳥越神社例大祭

隠れ家にこもって仕事をしていると、朝から笛や太鼓の音が聞こえてくる。昨日から、町はすっかり祭り気分である。 上京前にはまったく知らなかったのだが、今日は鳥越神社例大祭である。 昨日は、浅三睦のみこしが近所の小さな路地をねりあるいていたので、…

文系と理系の違い

methodologyさんから、文系の学振特別研究員は「機能していない」のではないかというご指摘があった。 実は、文系と理系の差はさほど大きくない。全体の中では、生物系がやや就職に不利のようだ。 平成16年度修了者のうち常勤研究職についた人の割合は、 人…

学振特別研究員は常勤研究職への近道

日本学術振興会プログラムオフィサー(正式には学術システム研究センター生物系科学専門調査班専門研究員:名簿はコチラ。このメンバーで科研費・学振特別研究員の審査員を選ぶ)をつとめているので、かねてから知りたかった特別研究員の「個体群動態」に関…

久しぶりの仕事日

サバティカルをとっているというのに、何かと忙しい。6月に入ってから、終日仕事ができたのは、4日の日曜日だけ。4日は福岡にいたので、いろいろなしめきりに対応するだけで、1日が終わってしまった。 今日はひさしぶりに、終日、隠れ家で仕事に集中できる。…

大腸菌と細胞性粘菌の実験共生系とトゥバ民族音楽

とても結びつきそうにないこの2つのテーマを追求している人の話を聞いているところ。 等々力政彦さん。とりあえず、ウェブサイトをリンク。 型にはまらない人は、いつの時代にもいるもんだ。 トゥバ民族音楽の実演に続いて、金子邦彦さんの講演。やりにくそ…

シモンボリバル・ちゃわんむし・ティンサグヌハナ

学振POの「業務」が7時半ころ終わり、番町から駒場に移動して、私のとは別のプロジェクトYの懇親会に出て、隠れ家に戻る総武線車中。 プロジェクトYの懇親会で、弾き語りのスペイン語教師Cさんの歌にすっかり乗せられてしまった。よもやこんなところで、シモ…

論文書きと研究の技

朝食をとりながら、ネットサーフィンをして、「東大で学んだ卒業論文の書き方」というサイトを知った。工学系向けではあるが、理学系や農学系の大学院生・研究者にも役立つと思う。 「これ論」とは違った視点が提示されている部分もあり、面白い。とくに、「…

チューリヒ便りがんばれ!

「ヨーロッパで研究室を運営する」(通称シミケンブログ)が、人気ブログランキング(自然科学部門)で、このY日記を抜いて、堂々のベストテン入り。おめでとう! チューリヒ大学で独立のラボをまかされて、その立ち上げに奮闘するイキの良い若手研究者の日…

ヤハラヅカサ

の鮮明な写真が、ココにあった。 久しぶりに上京して、隠れ家に到着し、部屋に備え付けのインターネットケーブルをノートPCにつないで、「ヤハラヅカサ」で検索したら、ヒットした。ほかにも、ずいぶんたくさんのサイトで紹介されている。 実は、来週、とあ…

私の先祖はアマミキヨ?

サクララウンジでメールをチェックしたら、T松くんから耳寄りの知らせが届いていた。 沖縄本島の、南城市玉城字百名(なんじょうし・たまぐすく・あざひゃくな)の浜川原海岸に、な、なんと、「ヤハラヅカサ」というアガリウマーイの拝所があるそうだ(写真はT…

楽しい環境保全シンポ

金曜日は、東大駒場でシンポジウム「地域環境学の構想〜楽しい環境保全をめざす学問〜」に出て話をする。 東大情報学環助教授の安冨歩さんのお誘いである。 東京大学大学院情報学環(駒場)主催 「地域環境学の構想〜楽しい環境保全をめざす学問〜」 このシ…

初夏の新キャンパス

今日は、ひさしぶりに伊都キャンパス(九大新キャンパス)生物多様性保全ゾーンに出かけた。昨日の午後にわたしの講義を聞いた、第3回福岡グリーンヘルパー養成講座受講生の方々が、生物多様性保全ゾーンを見学されたあと、福岡グリーンヘルパーの会のメンバ…

ヤクシカと植物と人間と・・・

30・31日の屋久島現地報告会が無事終了した。30日の公開シンポジウムには約80名の参加があった。参加者に書いていただいたアンケートを、帰りのフェリー船上で入力し、ウェブサイトの屋久島のページに載せた。いろいろな感想があり、考えさせられた。 ヤクシ…