九大伊都キャンパスでキクメハシリグモ発見ー九州で70年ぶりの確認

yahara2007-07-02

今日は、嬉しいニュースが届いた。
福岡グリーンヘルパーの会のメンバーで、クモに詳しいEさんから、以下のようなメールが届いたのである。
右の写真は、メールの添付書類でお送りいただいたものである。

キクメハシリグモ(キシダグモ科ハシリグモ属)
Dolomedes stellatus Kishida,1936
九州で70年振りに再発見しましたので報告します。

本種は元々、大陸や朝鮮半島では極めて一般的な普通種だそうですので、九州に居ても不思議でない種ですが、自然度の高い湿地に居るアオグロハシリグモの色彩変異体とされていましたので、認識されていない可能性と、加えて九州は、クモ研究者・愛好家が少なく観察の"網"から漏れていた可能性も考えられます。
意識して探せば各地で見つかるのではと期待しています。

生息地が九大伊都キャンパスだけとは考えられないので、おそらく周辺地域にも棲息しているのだろう。
しかし、イシガメの集団越冬地があることや、希少な水生昆虫がいることなどから考えても、九大伊都キャンパスの生物多様性保全ゾーンは、小川や水辺の生物がよく残っている場所だと言える。
キクメハシリグモは、メダカも餌にするくらい、貪食なクモのようだ。本種が棲息しているということは、本種の生活を支えるだけの餌があるということである。
谷を残し、池を増やし、水田を作るなどして、里山の水辺環境を保全・再生してきた結果が、今回の発見につながったのだと思う。