2010-01-01から1年間の記事一覧

2010年をふりかえって

今年もあと数時間をのこすだけとなった。 昨年の大みそかから新年にかけては、Current Opinion in Environmental Sustainability誌の生物多様性特集号に投稿する原稿をせっせと書いていた。その原稿は、以下の論文として発表された。 Yahara T, Donoghue M, …

なんだかうまくいかない人のためのページ

昨日は、修士論文ドラフト検討会。今日は、修士論文執筆に励んでいる大学院生を励ます目的で、Yさんが下記のウェブページのプリントを持ってきてくれた。 http://mitsuko.jaist.ac.jp/hori-abe-lab/etc/encourage.html 細かな点まで気配りのきいたアドバイス…

ハリムン国立公園の植物

ハノイ→インドネシアから無事帰国。いろいろ書きたいことはあるが、明日の授業の準備をしなければならない。いくつか写真を掲載して、帰国報告としたい。 Sさんが設定されたプロットに生えていたラン。腐生ランではないが、葉緑体がかなり少ないようだ。誰か…

ハノイからジャワへ

昼過ぎにハノイを発ち、シンガポール経由でジャカルタに飛び、車で約3時間かけてボゴールに着いた。ベトナムも、ジャワ島も、はじめての訪問である。先月末にはカンボジアにいた。こうやって、アジアを飛び回れる日が来るとは、30年前には想像できなかった。…

パンゴランゴ山を遠望

今日はチボダス植物園に出かけ、ゲデ山・パンゴランゴ山調査の打ち合わせをした。ゲデ山、パンゴランゴ山への登山口は、チボダス植物園のすぐそばにあった。 登山口にたてられていた案内板。登山口は1250m、ゲデ山は2958m、パンゴランゴ山は3019mとある。2…

30数年ぶりの再会

中国昆明植物研究所のチームがカルダモン山地の調査に入っていると聞いて、いったい誰がリーダーなのだろうと気になっていた。昨日、カンポントム省で中国チームと会う機会ができた。なんと、調査隊リーダーは武素功先生ではないか。30数年ぶりの再会を喜び…

カンボジアより

カンボジア王国カンポントム省で調査中です。カンポントムのホテルではネットにアクセスできないため、出国後に届いたメールはまだ見れていません。今夜はカンポントムの宿がとれないため、午後からシアムレアプ省に移動し、さきほどネットにアクセスできる…

どんぐり拾い、カンボジア、事業仕分け

3つの話題は関係ないように思われるかもしれないが、私の中では深く関係している。 日曜日に新キャンパスでのどんぐり拾い(福岡グリーンヘルパーの会が実施しているイベント。小中学生と一緒に森づくりをする活動)で小中学生相手に15分ほど話をした。その…

アホウドリY10を呼び寄せたアリューシャンマジック

久しぶりに実家に戻り、NHK番組Wonder×Wonderで、アリューシャンマジックの映像を見た。湧昇流によって表層に吹き上げられたオキアミをめがけて集まるハシボソミズナギドリの群舞は圧巻だ。その数、なんと1000万羽。ボツワナのオカバンゴ湿地帯の映像に勝る…

一山二山三山こえ〜

あ、よいよい、・・・という炭坑節の歌詞を思い出してしまった。 COP10のミッションを終え、環境省の予算申請をクリアし、カンボジア林野庁長官とゴム庁長官をお迎えしての初日が終わり、明日のシンポジウムの講演準備、あさってのGIS技術研究会基調講演準備…

COP10開幕

※http://webcast.cop10.go.jp/player.asp?id=1913&type=ondemand で下記のサイドイベントの動画が見れます(23日追記) 新聞などで報道されているように、18日に生物多様性条約第10回締約国会議が幕を開けた。私の役目は、DIVERSITAS, GEO BON, AP BONなどの…

がんばれ文部科学省

政策コンテストにかかる予算のパブリックコメントが実施されている。さきほど、環境省の競争的資金に関する意見を送った。続いて文部科学省の事業のチェックをはじめたところ。文部科学省では事業の必要性・事業内容をアピールする動画を配信している。これ…

日本の研究者は内向きか?

ノーベル化学賞を受賞された根岸さんが「日本の若者よ、海外に出ろ」と呼びかけたことがきっかけになって、日本から海外に出る研究者(とくに若手)が減っているという報道が続いている。今日の夕食時には、NHKでこの問題をとりあげていた。 読売新聞は9…

フジタ職員釈放を喜ぶ

最後のお一人が無事釈放された。私の予想よりも長くかかったが、ASEM首脳会議期間中の日中首相「交談」時には釈放の判断がされていたものと思う。20日目の釈放ということなので、船長拘留期間の19日をこえたところで釈放したという深読みもできるが、手…

日中交流の意義

中国政府報道官のプレス発表のトーンは明らかに和らいでいる。フジタ社員4名のうち3名は釈放されたし、あと1名もおそらくASEM首脳会議期間中には釈放されるだろう。その釈放のあとで日中首相が会談し、戦略的互恵関係を再確認する方向で、水面下での調整が進…

善く敗るる者は亡びず―中国人船長開放への感想

尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船に衝突した中国漁船の船長が、那覇地検の判断により処分保留で釈放された。この経緯をめぐってさまざまな論評があるが、私が共感できる論評は多くない。 おそらく日中双方の政府が想定しなかった形で事態がエスカレートし、ど…

ひさびさに休養、はじめての脳検査

二晩続けて、耳鳴りならぬ「頭鳴り」に悩まされた。耳ではなく頭の中でキーンという音がするのを、「頭鳴り」というそうだ。この状態が一晩続くと、寝不足と頭痛で昼間も集中力が持たない。そのため、金曜日は珍しく早退した。めまいや難聴の症状はないので…

君が踊る、夏

8月お盆明け以来の出張スケジュールが一段落したので、昨日は、大学院生の論文原稿改訂のために、関連論文をレビューした。出張疲れもあって夕方には集中力が切れてきたので、たまったポイントを使って映画を観てきた。疲れがたまっている状態だったので、選…

日本語で記事を書く方法

簡単なことだった。ノートPCで原稿を書き、USBメモリーにファイルを保存し、ファイルからブログページにカット&ペーストすればよい。同じ方法で、Gメールへの返事も書けるが、やや面倒だ。韓国滞在中の急ぎの返信は、英語かローマ字にしよう。 In fact, it …

Writing from Sangju

I am staying in Sangju Tourist Hotel. Here, I can use a desctop computor in my room, but I cannot connect my note PC with internet. Thus, I can read Japanese messages on the web, but I cannot type Japanese letters. This is the reason why I…

東アジア生態学会連合(EAFES)第4回大会へ

9月1日から8日までの野外実習、および9-10日の野外実習データ解析と発表会を無事終えて11日には、中部大学で開催された植物学会大会の公開シンポジウムで講演するため、名古屋を日帰りした。そして今日は、Niels Antenさんを迎えてのGCOE国際セミナーに出た…

ヒックとドラゴン

既にクラシックの風格を持つ傑作、いくらほめてもたりないほどの傑作、「トイストーリー3」よりも面白いという評判を聞いては、見ないわけにはいかない。というわけで、8月末のワークショップの準備が終わった時点で、レイトショーを見てきた。確かにすばら…

ついに開かれた北極海横断航路

今朝のCNNニュースで、以下の記事を見つけた。 http://www.cnn.co.jp/business/30000101.html ロシア海運最大手SCF(ソフコムフロート)の大型タンカー「SCFバルティカ」号が北極海横断に成功した。大型タンカーとしては初の北極海航路での輸送運行と…

気候変動の下での適応進化

昨日まで3日間、「気候変動に対する種分布域の反応の理解・予測への生態・進化学的アプローチ」("Eco-Evolutionary Approaches to Understanding and Predicting the Response of Species Range to Climate Change")というワークショップを開催した。パリ…

パブロフスク種子研究所保全の署名

DIBERSITASの議長・事務局長から、パブロフスク種子研究所保全を要望するロシア大統領あての署名に協力してほしいという依頼が届き、署名をした。大統領の賢明な判断に期待したいものだ。 ご協力いただける方は、下記のサイトからぜひご署名ください。署名サ…

ミツバチの大量失踪の原因

生物多様性に関して執筆中の本で「ミツバチの大量失踪と実りなき秋」と題するセクションを書いた。この執筆のために、ミツバチの大量失踪の原因に関する論文に目を通した。アジア保全生態学ブログにそのメモを載せたので、こちらからリンクをはっておく。 ht…

補足

林岳彦さんからトラックバックでコメントをいただきました。 http://d.hatena.ne.jp/takehiko-i-hayashi/20100823/1282519154 私が不用意な発言をするのは好ましくないので、このようなコメントは大変ありがたいです。農薬だけが効いているかのような印象を…

シロテンマとオニノヤガラは別種だろう

植物RDB関係者の間では、シロテンマとオニノヤガラは別種だろうという意見がある。画像検索をしてみると、ネット上でシロテンマとオノノヤガラの良い写真がかなり見つかった。両者は、花色、花数、花茎の太さ・高さだけでなく、花形にも違いがある。 シロテ…

文科省が国立大交付金増額を要求

昨夜、「あほだ」と書いたとたん、「文部科学省は18日、2011年度の概算要求で、国立大学法人の運営費交付金について、10年度予算(1兆1585億円)に比べ、数%程度の本格的な増額を求める方針を固めた」という記事が報道された。 http://www.47n…

予算1割減は愚策

この機会に書いておきたい。大学の予算もふくめて、各省の概算要求を一律一割減に決めた政府の方針は愚策中の愚策。菅内閣がここまで愚かだとは予想しなかった。はっきりいって、あほだ。 一割というのはとんでもない数字だ。人件費の比率が高い大学の運営交…