若者は「努力」が嫌いになったのか?

少年ジャンプの法則と言われるものがあるそうだ。「友情・努力・勝利」という3つのテーマをうまく組み込んだ漫画はヒットするというもの。少年ジャンプは以前から、この3つのテーマを盛り込むことを、編集の基本方針にしてきたそうだ。ところが最近、「努力」が登場すると、人気が落ちるという傾向が見られるという。この点をとりあげて、最近の若者は「努力」が嫌いになったのだと、数日前の新聞が報じていた。
よくある、「最近の若者は・・・」式の記事なのだが、少年ジャンプの法則が成り立たなくなったといわれると、一見説得力がある。
でも、ほんとにそうなのか? と、へそまがりの私は考えてしまった。
「努力」なんて面倒なものだ。「努力」を正面に掲げた漫画がヒットする社会状況こそ、むしろ変だったではないか。
そんなことを考えながら、「友情」「努力」で検索すると、こんなサイトが見つかった。
どなたかの卒論の一部らしいが、少年ジャンプでヒットした漫画を比較した結論として、次のように述べている。

「努力」が強調されていたのは、70年代半ばの『プレイボール』のみであり、残る11作品にはほとんどみられなかった。

納得した。上記の新聞記事は、根拠のない風聞にもとづいていたのだ。
「最近の若者は・・」という愚痴は、エジプトの石版に記されているという風聞には根拠がないそうだが、かなり古い文献から見られることは確かである。
「最近の若者は・・」なんて考えるようになったら、年をとったということだ。