2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ノートPCクラッシュ

今朝8時半すぎに、無事帰国した。成田空港から東京に出て、九大東京オフィスでこのブログを書いている。1時から、環境省野生生物課で、植物レッドデータブック見直し調査についての打合せ。福岡に戻るのは、夜になる。 ウィーンから成田に向かう機内で、IBC…

ブリューゲルの冬

国際植物科学会議は、昨日の午前中で全日程を終えた。午後は、市内観光に出かけた。がらくた市を見たあと、ウィーン美術史博物館で夕方まで時間を過ごした。 ブリューゲルのWinterは、ぜひ見たい絵の一つだった。西欧の照明史を解説した本の冒頭に、この絵の…

花の進化発生学と繁殖生態学の接点

大会4日目の午前中は、植物のアポミクシス(無配生殖)のトップバッターのSavidanの話を少し聞いてみたが、得るところがないので、Causes and consequences of floral development changes(花の発生的変化の原因と帰結)に移動。このシンポの冒頭では、Yale…

葉と茎の特殊化の分子機構

大会3日目の午前中は、The evolution of morphological novelties and other bauplan oddities in flowering plants(顕花植物における形態的新奇性と基本体制の珍奇性の進化)というシンポジウムに出た。進化発生学的アプローチを使って、植物の葉や茎の大…

研究を大きく進歩させる要因

倍数体研究と植物群集研究という2つの対照的なシンポジウムに参加した経験をもとに、研究を大きく進歩させる要因について考えてみよう。2つのシンポジウムがとりあげたのはいずれも、過去6年間(前回の植物科学国際会議以来)に大きく研究が進んだテーマで…

植物種の多様性を決めるのはニッチ分割か中立過程か?

昨日は、分子生物学的技術を駆使した倍数体研究の話を聞いたので、今日は野外調査や野外実験による群集研究のシンポに出た。シンポジウムのタイトルは「Integrating the dispersal-assembly and niche-assembly paradigms in plant community ecology(植物…

倍数体研究:最近の進歩トップ10

シンポジウム「倍数体ゲノムの進化」のトップバッターをつとめたJF Wendelの話は、とてもわかりやすかった。6年前のセントルイス(前回の国際植物科学会議)での講演も聴いたが、当時はまだ、「群盲象をなでる」感があった。この6年間に、倍数体研究が大きく…

ウイーン初日

オペラ座の前のインターネットカフェ"Surfland"で、上記の日記をアップロードした。ここは、ウイーン市内で唯一、日本語環境が整ったインターネットカフェだそうだ。 ウィーンに発つ前に、関西空港で、パウエル前国務長官そっくりの人とすれ違った。よく似た…

Songs on the sky

ウィーンに向かう機内。「眼下」(機下のカメラの映像)には、雲の切れ間からシベリアの大地がのぞく。機内に持ち込んだ2枚のCDを聞きながら、のんびりと時間を過ごしている。こんなにゆったりと時間を過ごすのは、久しぶりである。 平原綾香の”The Voice”は…

「特定外来生物」植物種2次選定

「特定外来生物」植物種2次選定のための会議が25日に予定され、私はウィーンから帰国後、成田から会議に直行する予定だった。しかし、環境省側の事情で、会議の日程を早めることになり、14日に会議が開催された。このため、私はまたしても、会議に出席できな…

系統進化学試験情報

あと3時間あまりで、ウィーンに向けて出発する。朝食時間まで、あと20分。 「系統進化学」のQ&Aを更新する余裕がなかった。受講生のみなさん、ごめんなさい。今朝早起きして、できるだけ更新していくつもりだったが、いくつか返事を急ぐメールが届いていて、…

ミシシッピアカミミガメの料理法と外来生物法

一昨日に屋久島から戻ったばかりだが、明日にはウィーンに向けて発たねばならない。仕事は山積しており、あわただしい。ブログなんて書いてる暇はないのだが・・・。12日に、卒業研究生の依頼で、下記のようなメールを、3つのメーリングリストに送った。 …

林道とヤクシカの関係

昨夜は、山地上部に雲がかかったため、宮之浦岳ルートの調査の予定を変更して、楠川歩道の調査を実施した。ガスの中では、サーチライトの光が散乱するので、夜間のシカ調査はできないのだ。 しかしおかげで、林道とヤクシカの関係がかなりよく分かった。白谷…

屋久島だより

屋久島に来て3日が過ぎた。1日目は、ヤクシカ夜間調査ルートの下見。2日目は、天候不良のため、ヤクシカ調査はとりやめ、昼間に植物の分布調査を実施。3日目の昨夜は、尾の間歩道のヤクシカ夜間調査を決行した。 今回の調査は、当初から、天候が心配だった。…

屋久島に出かけます

明日の2時限目の全学共通科目「地球と生命」の講義の直後に、屋久島に出かけま〜す。12日の始発便で戻り、午後の会議に出ます。 この間、しめきりの迫った仕事をいくつも片付けましたが、まだいくつか・・・。しかし、これ以上無理すると、体を壊しかねな…

系統進化学試験情報

系統進化学受講者のみなさん、昨年の試験問題を私の公式ウェブサイトで公開しました。試験勉強の狙いを定めるうえで、参考にしてください。 また、6月30日の講義で提出された質問票への回答を、アップロードしました。それ以前の3回分の質問票への回答は…

遺伝子音楽と独創性

このところ、ブログを書く時間を、論文原稿修正にあてていた。間隔が空き気味だったのは、そういうわけである。 さて、理系白書ブログ(7月2日)で、元村さんが遺伝子音楽をとりあげられている。広島大両生類研究施設の三浦郁夫さんが、スーパーサイエンスハ…

日本植物学会第2回理事会(続き)

植物学会富山大会(9月20日〜23日)の発表申し込み数は、422。過去5年間の推移は、346(藤沢)、437(札幌)、408(京都)、414(東京)、416(静岡)である。京都や東京で開催された大会の発表数を上回っており、開催地が富山であることを考えれば、善戦と…

遺伝子組換えシンポ

第1回理事会で、私が遺伝子組換え問題について意見を述べたために、植物学会大会において、関連する企画を準備することになった。具体的には、9月21日に、以下のシンポジウムを開催する。植物学会として、「合意形成」という社会的な問題をとりあげるのは、…

日本植物学会第2回理事会

東大(本郷)理学部で、日本植物学会第2回理事会に出席中。 このブログを書き始めたのが、第1回理事会の日だった。ちょうど半年が経ったわけだ。(ちなみに、この半年間で、155629 件の訪問があった)。 半年前のブログへのコメントで、Journal of Plant Re…