保全

熱帯林樹木多様性とその保全に関する公開シンポジウム

熱帯林樹木多様性とその保全に関する公開シンポジウムを1月6日に東京国際フォーラムで開催します。この公開シンポジウムは、環境研究総合推進費によるプロジェクト「樹木の新種比率評価と森林政策評価にもとづく東南アジア熱帯林保全対策の策定」(代表 矢原…

5つのアクションが、生物多様性国家戦略に

インドでは一夜明けて、COP11に出席中。ホール1で開催中の作業部会では、EBSAの設定など、海洋に関する議論が行われているので、それを聞いて、情報収集をしているところ。 さきほど、一般社団法人CEPAジャパン代表の川廷昌弘さん(http://cepajapan.org/ab…

屋久島南部の豊かな林床植生の終焉

4月22日の記事(http://d.hatena.ne.jp/yahara/20120422)で、ツルランの大群落が消失したことを書いた。10月7日には、この群落があった斜面に2004年に設置した6m×30mの調査区(3m×3mの方形区20個)の再調査を行った。ツルランだけでなく、ユウコクラン、ヤ…

改訂版植物レッドリスト学名チェック作業ひとまず完了

1日から今日未明まで、オープンキャンパスなどの公務をはさみつつ、使える時間はすべて「改訂版植物レッドリスト学名チェック作業」に投入した。その甲斐あって、学名チェック作業は今朝2時ころにようやく完了した。「関係者のみなさま 全学名のチェック作業…

Planet Under Pressure会議で考えたこと

Planet Under Pressure会議は、地球システムと人間社会の持続可能性という、巨大でかつ社会的なテーマをとりあげた会議だった。このため、科学者による学術集会とはいえ、通常の学会大会のようなアカデミックな発表は少なく、「机の上で考えた概念論で世界を…

Future Earth−未来の地球へのグランドチャレンジ

DIVERSITAS科学委員会も今日で最終日。今回の科学委員会は、いつもとはかなり性格が異なる。何しろ、これが最後の科学委員会になるかもしれないのだ。 DIVERSITAS(生物多様性国際研究プログラム)は、ICSU(国際科学連合)がスポンサーとなっている5つの環…

公開講演会「生物多様性観測・評価・予測研究の最前線」

今日は、都内で研究プロジェクトの全体会議。明日は、以下のように、公開講演会を開催する。もっと早くアナウンスすべきだったが、今日まで研究会の準備などに追われ、ブログへの掲載が後手にまわってしまった。今からでも、アナウンスしておこう。 環境研究…

シカが増えた屋久島での生態系管理の目標

26日から29日まで、屋久島世界自然遺産地域科学委員会現地視察のために、屋久島を訪問した。以下は、関係者のメーリングリストに屋久島から28日に書いたメール。 ヤクシカMLのみなさま 昨日は、視察の下見をかねて、大川林道、西部林道(河原タワー〜600mプ…

IPBESアセスメント枠組み文書完成

IPBESアセスメント枠組み文書作成のためのワークショップは、昨日、5日間の日程を終えた。6時に起きてメールをチェックすると、今朝(深夜)1時25分に、全体のリードをつとめたAnanthaから、最終草案が届いていた。これから8月5日までに、この草案をチェック…

生態系サービスをもたらすのは生態系か?

IPBESアセスメントワークショップは、いよいよ大詰め。今日の時点で、アセスメントの枠組みについての提案文書はほぼ完成した。明日は、推敲を要する部分として、黄色でマークされた箇所を改訂する作業になるのだろう。 アセスメントのコンセプトや枠組みを…

アセスメント成功のための3原則

今日から、IPBES(生物多様性版IPCC:生物多様性と生態系サービスに関する政府間プラットフォーム)のアセスメントのあり方に関する国際ワークショップが始まる。早朝5時に起きて、ワークショップ文書を読み始めた。ちなみに、土曜日朝に夜行便でクアラルン…

アジア保全生態学センター設立記念シンポジウム終了

センター設立を構想してからほぼ10年。多くの方々のご協力を得て、昨日、その夢をかなえることができました。このセンターをさらに育てていくために、精いっぱい頑張りたいと思います。 プロジェクト予算にもとづくセンターなので、存続のためにはプロジェク…

COP10開幕

※http://webcast.cop10.go.jp/player.asp?id=1913&type=ondemand で下記のサイドイベントの動画が見れます(23日追記) 新聞などで報道されているように、18日に生物多様性条約第10回締約国会議が幕を開けた。私の役目は、DIVERSITAS, GEO BON, AP BONなどの…

気候変動の下での適応進化

昨日まで3日間、「気候変動に対する種分布域の反応の理解・予測への生態・進化学的アプローチ」("Eco-Evolutionary Approaches to Understanding and Predicting the Response of Species Range to Climate Change")というワークショップを開催した。パリ…

パブロフスク種子研究所保全の署名

DIBERSITASの議長・事務局長から、パブロフスク種子研究所保全を要望するロシア大統領あての署名に協力してほしいという依頼が届き、署名をした。大統領の賢明な判断に期待したいものだ。 ご協力いただける方は、下記のサイトからぜひご署名ください。署名サ…

ミツバチの大量失踪の原因

生物多様性に関して執筆中の本で「ミツバチの大量失踪と実りなき秋」と題するセクションを書いた。この執筆のために、ミツバチの大量失踪の原因に関する論文に目を通した。アジア保全生態学ブログにそのメモを載せたので、こちらからリンクをはっておく。 ht…

補足

林岳彦さんからトラックバックでコメントをいただきました。 http://d.hatena.ne.jp/takehiko-i-hayashi/20100823/1282519154 私が不用意な発言をするのは好ましくないので、このようなコメントは大変ありがたいです。農薬だけが効いているかのような印象を…

シロテンマとオニノヤガラは別種だろう

植物RDB関係者の間では、シロテンマとオニノヤガラは別種だろうという意見がある。画像検索をしてみると、ネット上でシロテンマとオノノヤガラの良い写真がかなり見つかった。両者は、花色、花数、花茎の太さ・高さだけでなく、花形にも違いがある。 シロテ…

知床世界自然遺産登録5周年記念シンポジウム

今日は、横浜ランドマークホールで開催された「知床世界自然遺産登録5周年記念シンポジウム」(http://www.env.go.jp/nature/isan/sympo1006/)にパネラーとして参加した。シンポジウムの様子は、7月11日(日)18:00-19:00にNHK教育で放映される予定。

屋久島での2つの会議の報告・竜神の滝訪問記

27日には屋久島に飛び、屋久町野生動物保護管理ミーティングに出た。主としてシカ対策を議題とする屋久島町主催の連絡会議である。屋久島町・環境省・森林管理署・鹿児島県・屋久島生物多様性保全協議会などから、平成21年度の取り組みの報告と22年度の対策…

なぜ地球の生きものを守るのか?

今年は国際生物多様性年。10月には、生物多様性条約第10回締約国会議が名古屋で開催される。このため、生物多様性に関する社会的関心が高まっている。福岡―東京便のJALの機内でも、生物多様性に関する広報ビデオが流れ、多くの乗客が「地球のいのち つないで…

ドイツでの生物多様性シンポジウムの情報

時差のせいで、4時間で目がさめたあと、なかなか眠れない。いつものことだが、時差はつらい。眠れなくても、2時間は横になって体力を回復させることにしている。 それでも早朝に起きて、あさってからの生物多様性シンポジウムの情報を確認した。ドイツ文部科…

COP10プレコンファレンス名古屋レポート

COP10プレコンファレンスが昨日終了し、COP10に向けての提言「名古屋レポート」案をまとめた。この文書は、現在最終調整中で、近日中に公表できる予定である。本件について、共同通信、読売新聞、朝日新聞の取材を受けた。読売新聞、朝日新聞では、朝刊に記…

生物多様性条約第10回締約国会議プレコンファレンス開幕

日本生態学会大会では、生物多様性総合評価シンポジウム、生物多様性政策研究会シンポジウム、公開講演会で講演した。どの集まりにも多数の参加者があり、生物多様性への関心の高まりを感じた。とくに、公開講演会では、730名をこえる非会員の申し込みがあり…

生物多様性分野の戦略研究開発プロジェクト

カリフォルニアでのGEOBONアシロマ会議から27日に戻り、大詰めの卒論指導・クロツラヘラサギ国際シンポの講演準備などをこなしつつ、地球環境研究総合推進費の交付申請書を準備し、4日の提出しめきりに何とか間に合わせた。国内・国際ワークショップの参加者…

屋久島での2つのミーティング+2つの打ち合わせ

昨日は、屋久島町主催の「屋久島町野生動物保護管理ミーティング」に、今日の午前中は、「屋久島生物多様性保全協議会 森林生態系・天然林再生部会」に出た。さらに午後には、来月開催される「屋久島世界遺産科学委員会」の打ち合わせ、および「屋久島町野生…

海砂採取の闇

とあるきっかけで、海砂採取がもたらす環境問題について調べざるを得ない立場に立たされた。この問題に詳しいSさんに話を聞いて、海砂採取が生物ごと海底から砂を吸引する行為であることを始めて知った。 海砂採取について、ネットで得られる情報を調べてみ…

生物多様性に多数の指標が必要な理由

気温という単純明快な指標で測れる温暖化現象と違って、生物多様性には統一された指標がなく、わかりにくいという声をしばしば聞く。昨日の集まり(科学技術振興調整費による伊勢湾プロジェクトの公開講演会)でも、パネルディスカッションの席上で代表者のT…

屋久島世界遺産地域科学委員会スタート

第一回世界遺産地域科学委員会を無事終えた。鹿児島空港で1時間半ほど福岡便を待つ間に、JALラウンジで科学委員会の情報発信用のサイトを作った。 → http://sites.google.com/site/yakushimasc/Home 事務局をつとめる環境省九州地方環境事務所でも情報発信を…

屋久島世界遺産研究フォーラム

今日は2時から、屋久島世界遺産研究フォーラム「屋久島の価値と科学の役割」で基調講演をさせていただいた。このフォーラムは、明日の第一回屋久島世界遺産科学委員会を前に、島民向けの公開講演会として開催された。基調講演のあとに、「求められる屋久島、…