保全

九大伊都キャンパスでトノサマガエルを確認

環境監視調査の担当者から、九大伊都キャンパス生物多様性保全ゾーンでトノサマガエルを確認したという連絡が入った。送付された写真に写っているのは、間違いなくトノサマガエルである。 トノサマガエルは、環境影響評価のための聞き取り調査で記録されてい…

JBON始動

3日間のJBONコンファレンスが無事終了し、JBON(Japanese Biodiversity Observation Network)が発進した。 JBONコンファレンスのプログラムは、JBONウェブサイト(http://www.j-bon.org/)にある。非常に充実したプログラムなので、広くアナウンスすれば相…

ガジュマルの木の下で

鹿児島空港で東アジア次世代リーダー招聘プログラムの参加者と別れ、福岡への便を待っている。さくらラウンジで、コペンハーゲンでの講演の準備をしていたが、眠くなってきたので、ブログを書くことにした。 昨夜は、屋久島のTさんにホテルに来ていただいて…

日本がアジアの架け橋に

国際交流基金による「東アジア次世代リーダー招聘プログラム」という企画のお手伝いをしている。昨日は、生物多様性について45分の講義を担当し、参加者16名の発表を聞き、懇親会では乾杯の挨拶をさせていただいた。そんな仕事を引き受けているから○○ができ…

屋久島生物多様性保全会議

昨日は、屋久島環境文化村センターで開催された「屋久島生物多様性保全会議」(屋久島生物多様性保全協議会主催)に出席した。今日は会議に参加した検討委員・協議会構成員・環境省・林野庁の方々と、島内各地を訪問し、現地でさまざまな相談をした。 「屋久…

GEO BON日本委員会始動

ワシントンDCでの最後の夜。あと7時間でホテルを出て、空港に向かう。 ワシントンDC滞在中に、50名ほどの方に連絡をとり、GEO BON日本委員会設立への協力に承諾をいただいた。これらの方々を呼びかけ人として、5月8-10日に東大駒場キャンパスで、シンポジウ…

ダーウィン生誕200年記念シンポジウム

一夜明けたのだが、日本はまだ11日だった。 「今日」は、AAASが主催する「ダーウィン生誕200年記念シンポジウム」に招かれている。「ダーウィン生誕200年記念シンポジウム」だから進化を主題にしたシンポジウムかといえば、そうではない。シンポジウムのタイ…

COP10プレコンファレンスの日程決まる

DIVERSITAS科学委員会の3日間の日程が終了した。COP10に向けて、非常に重要なことが決まった。 2010年3月22-26日に、COP10プレコンファレンスとDIVERSITAS科学委員会を日本で開催する(開催地は未定)。生物多様性に関心を持つ日本の関係者からは勝手に決め…

COP10に向けての円卓会議

2月3日にはCOP10に向けた環境省円卓会議に出た。外務省・国土交通省・農林水産省・通産省からも担当の方が出席されていた。生態学分野からは、私と鷲谷さん、中静さんが出席した。この時期に、この3人の都合があったのは、かなり幸運だった。このほか日本造…

CBD専門家会合(続)

会議は、議長をつとめる中静さんによる講演から始まった。中静さんは、日本の生物多様性総合評価の枠組みとこれまでに得られている成果について、要領よく説明された。とてもバランスのとれた紹介だった。そのあとをうけて私が講演し、2回の植物レッドデータ…

植生防護柵の外側と内側

屋久島に設置されている植生防護柵の外側(左)と内側(右)の写真である。隣接する場所であり、地形も傾斜も類似しているのだが、こんなにも違いが生じている。 屋久島の原生林内では、大部分の林床が、シカの摂食によって左側の状態へと推移している。右側…

COP10に向けての意見交換会

昨日は、「生物多様性に関する情報提供ホームページの開設及び生物多様性条約第10回締約国会議に向けた意見交換会」という長い名前の会議に出た。 参加者は90名程度。さまざまなNGO、NPOの方々が参加されており、いろいろな立場からの意見を聞くことができ…

生物多様性条約締約国会議(COP10)へのカウントダウン

生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が、2010年10月18日から名古屋で開催される。環境省では"Biodiversity"のサイトを設けて、カウントダウンをはじめた。今日のサイトには、「あと726日」とある。 明日は、「生物多様性に関する情報提供ホームページの…

シカの天敵はオオカミだけだったのか?

昨日は、宮崎グリーンヘルパー養成講座で、4時間の講義をした。受講者から、シカを管理するためには天敵であるオオカミを復活させるべきではないか、という質問があった。 人間が関与する前の生態系では、シカの天敵はオオカミだけだった。そのオオカミが絶…

植物の多様性維持機構への質問

日本進化学会「夏の学校」での私の講演に対して、yamadaさんから、3つの質問をいただいた。以下はこれらの質問への回答。 ?Yahara先生のお考えでは、植物の多様性維持機構を最もよく説明する説は ニッチ分化説で、中立説も重要だが、中規模かく乱説やジャン…

GEO BON Conference終了

今朝は5時に起きて、遺伝子レベルの生物多様性観測に関して、提案文書の改訂原稿を作った。提案文書には随所に穴があり、当然のことながら、さまざまな意見が出た。今日午後の総合討論では、何人もの参加者が「もっと時間をかけて議論すべきだ」と主張した。…

GEO BON Conference2日目終了

今日は、ワーキンググループに分かれての討論。午前中は、Science IssuesのWGに出て、EcosystemのセクションとGenesのセクションについて意見を述べた。Genesのセクションに関しては、私のコメントが採用されたので、改訂原稿を書かなければならない。今日は…

GEO BON Conference初日終了

今日は、GEO BON Draft Concept Documentの説明と質疑応答。Georgina MaceがScientific issuesについての説明のときに、ボランティアによる生物多様性モニタリングの先進例として、日本の植物RDBの取り組みを紹介してくれた。休憩時間やレセプションで、何人…

DIVERSITASでの議論と生物多様性観測国際ネットワーク

DIVERSITAS科学委員会は、4日間の日程を無事終了した。 昨日は、COP9に向けての「生物多様性観測国際ネットワーク」(GEO BON)提案文書に関する議論をした。草案では、Ecosystem, Species, Genesの3つのレベルについて生物多様性観測の方向性が書かれてい…

COP9, COP10, DIVERSITAS

5月にボンで開催される第9回生物多様性条約加盟国会議(COP9)で、COP10の日本開催(2010年)が決まる予定である。今日のDIVERSITASの会議では、COP9のプレコンファレンスで提案されるGEO-BON(GEO Biodiversity Observation Network)が討議される。この文書…

COP10(第10回生物多様性条約加盟国会議)

Dan Faith, John Wiensと一緒に奄美に滞在中。昨夜は、Dan Faithと、COP10に向けてのGBIFキャンペーンに、日本の野生植物の絶滅リスク評価のアウトプットを連携する計画について相談した。 2月のアブダビ(IUCN-SSC)、今月の横浜(気候変動にともなう植生帯…

レブンアツモリソウがとりもつ屋久島関係者との縁

ところで、今回の研究推進評価会議に出席されていた林野庁研究・保全課のK課長補佐は、屋久島で猟銃の誤射によって林野庁職員が命を落とすという痛ましい事故があった当時、屋久島森林管理署長をされていたそうだ。貴重な話を伺う機会を得て、屋久島との関わ…

レブンアツモリソウの共生菌と送粉昆虫

レブンアツモリソウ保全の研究プロジェクトでは、レブンアツモリソウの共生菌に関しても、確実に研究が進んでいる。このテーマに関しては、すでに3編の論文が公表されており、たとえば次の論文では、単離された菌の接種によって実際に種子の発芽が促進される…

着実に進むレブンアツモリソウ保全研究

昨日は、森林総合研究所北海道支所で開催された、「レブンアツモリソウをモデルとした特定国内野生希少動植物種の保全に関する研究」第3回研究評価推進会議に出席した。 このブログで検索をかけてみると、過去に3回、このプロジェクトについて書いている。私…

IUCN-SSC(種の保全委員会)全日程終了

議論、議論、議論、・・・・英語、英語、英語、・・・の4日間が終了。4日目になるとようやく英語に慣れて、かなり聞き取れるようになってきたが、話すほうにはまださほど慣れていない。日常的に英語を使う環境にいないと、このような国際会議で活躍するのは…

日本から南アフリカへ:植物レッドリストのための市民調査員ネットワーク

「William Bond博士が日本のやり方にヒントを得て、市民によるモニタリングという方法を採用したのではないだろうか」(下記)と予想したが、実際にそのとおりであることがわかった。南アフリカ植物専門家グループ長のDomitilla Raimondoさんが、「William B…

アセスメントと保全のアクション:IUCNの実践事例

午後のセッションでは、レッドリストのためのアセスメントの実例報告と、保全タスクフォースによるいくつかの哺乳類の保全アクションの実例報告を聞いた。 南アフリカでは、市民をトレーニングして、全種を対象にレッドリストのためのアセスメントを実施して…

IUCN-SSC(国際自然保護連盟−種の保存委員会)の構造改革

昼食を済ませたところ。会議再開まであと15分ほどである。 午前中は、SSCの専門家グループを保全グループとアセスメントグループに分けるという「構造改革」案が提案されたので、議論は熱を帯びた。 趣旨は、レッドリストの客観性・透明性を高める一方で、保…

モニタリングサイト1000里地調査サイトの公募始まる

全国1000地点で100年後までの環境の変化をモニタリングしようという環境省のプロジェクト「モニタリングサイト1000」の里地調査サイトの一般公募が開始された。 先日の会議で、早く情報をオープンにしてほしいと私が発言したばっかりに、関係者の方が何とし…

モニタリングサイト1000推進検討会

昨年の8月22日のブログで、モニタリングサイト1000について、「環境省生物多様性センターのウェブサイトで、モニタリングサイトの一覧とその連絡先を公表してほしいものだ」と書いた。「私のところに相談に来ていただく必要はないが(というより、他の仕事で…