COP10プレコンファレンスの日程決まる

DIVERSITAS科学委員会の3日間の日程が終了した。COP10に向けて、非常に重要なことが決まった。
2010年3月22-26日に、COP10プレコンファレンスとDIVERSITAS科学委員会を日本で開催する(開催地は未定)。生物多様性に関心を持つ日本の関係者からは勝手に決めるなとおこられそうだが、COP9(ボン)でもプレコンファレンスの企画・開催にはDIVERSITASが深くコミットした。他にもCOP10に向けてさまざまなコンファレンスが企画されるはずだが、DIVERSITASが関与する「COP10プレコンファレンス」には特別な役割がある。COP10で議論される議題に関して、世界の科学者の協議にもとづく提案を行なうのは、DIVERSITASなのだ。この提案については、2010年5月13-21日にナイロビで開催される「SBSTTA」と呼ばれる準備会合で議論され、COP10での議題に盛り込まれる。
COP10では、Global Biodiversity Outolook 3(GBO3)が発表されるが、この文書も、DIVERSITASがWCMCやCBD事務局などと連絡をとりながらまとめる。今日の科学委員会で、GBO3のポイントが提案され、議論をした。今後、今年の10月に南アフリカで開催されるOpen Science Conference(OSC2)でより具体的な内容が紹介され、2010年3月のプレコンファレンスでほぼ最終的な内容が提案され、CBD(生物多様性条約)の「SBSTTA」(準備会合)での議論に付される。
日本からGBO3に提案をしようと思えば、この流れの中でDIVERSITAS(またはCBD事務局)に意見を言わなければならない。ちなみに、DIVERSITAS科学委員会にはCBD事務局の方が参加されており、連携はしっかりとれている。DIVERSITASは日本での知名度は低いと思うが、生物多様性に関しては、世界を動かす役割を担っている。
日本からの提案のチャンスをできるだけ広げるために、OBC2のあと11-12月にプレプレコンファレンスを開き、DIVERSITAS関係者と議論をする場を設定したいと考えている。
いつの間にやら私は、日本とDIVERSITASをつなぐ立場に立たされている。今回の科学委員会に出るまでは、事の重大さをよく理解していなかったようだ。今回の科学委員会では、世界が大きく動いているのを実感した。この大きな動きを日本に持ち帰って、日本からのフィードバックを組織する責任があるのだ。
この3日間で、50人ほどの関係者にメールで連絡をとり、関係者のネットワークを組織した。5月8-10日に、東大駒場キャンパスで、シンポジウム「生態系・生物多様性研究のネットワーク化」を開催することを決めた。今後はWGを組織して、アジアにおける生物多様性観測を推進するためのWG提案を5月の会議までにまとめていただけるように、関係者の方々にお願いをする。5月の会議ではWGの分科会に加えて、全体で分野間の相互理解・連携をはかりたい。
いつもながら、自分で仕事を増やしている。もうすこし無責任になれると楽なのだが、どうもそれができない性格のようだ。幸い、お願いした方々のほとんどから、協力しますという返事がすぐに戻った。ありがたいことである。このような協力が得られるので、汗をかかなければと思うのである。