屋久島生物多様性保全会議

昨日は、屋久島環境文化村センターで開催された「屋久生物多様性保全会議」(屋久生物多様性保全協議会主催)に出席した。今日は会議に参加した検討委員・協議会構成員・環境省林野庁の方々と、島内各地を訪問し、現地でさまざまな相談をした。
屋久生物多様性保全協議会」は、環境省生物多様性保全推進支援事業費を受けて昨年9月に発足した。屋久島まるごと保全協会(YOCA)、ヤクタネゴヨウ調査隊、屋久島町屋久島環境文化財団がこの協議会を構成している。以下の4つの事業計画にもとづく申請に対して、支援事業費がついた。

  • 絶滅危惧種及び屋久島の固有な貴重種の調査と育種
  • 屋久島に特有の生物多様性を維持するため、現存する垂直分布を保全し、更にそれを他地域に拡大・復元を目指す森林生態系保全再生事業の実施
  • 屋久島の生物多様性と生態系保全を目的として、地域住民(協議会を含む)と学術研究者が参画し、総合的に検討する専門家会議(仮称)を設立
  • 生物多様性保全に関する普及啓発事業

今回の保全会議は、事業計画?にもとづくものであり、事業の実施計画・進捗状況に対して専門家の立場で助言をすると同時に、「屋久島において人と自然が両立し永続的な生活が営まれるように・・・総合的な検討」を行なうと、事業計画書に記されている。
私は座長に指名を受けたので、この方針に沿って、13:30〜17:15の会議の司会をつとめた。
まず、屋久島における生物多様性保全上の課題について議論をした。事業計画書には、以下の5つの課題が記載されている。

  • 絶滅危惧種の現状を正確に把握する。
  • ヤクシカによる森林植生への被害の拡大に対し、適正な保護管理手法の確立。
  • 人工林を本来の森林植生に再生する。
  • 大陸飛来の大気汚染物質による生態系への影響を注視する。
  • 民・学・官の協働と連携をより充実させる。

これらに加えて、会議を通じて、以下の課題に対応する必要性が指摘された。

  • 沿岸域の現状を正確に把握する
  • 湿原・湿地の現状を把握する。
  • 外来種の現状を把握する。
  • 農林漁業と生態系管理を支える担い手を育成する。
  • 生物多様性・生態系保全を子供たちの教育に生かす。

これから搭乗するので、またのちほど。