モニタリングサイト1000里地調査サイトの公募始まる

全国1000地点で100年後までの環境の変化をモニタリングしようという環境省のプロジェクト「モニタリングサイト1000」の里地調査サイトの一般公募が開始された。
先日の会議で、早く情報をオープンにしてほしいと私が発言したばっかりに、関係者の方が何としても年内にサイトをオープンにしようとがんばってくださったようだ。恐縮至極である。
しかし、アナウンスの期間は少しでも長いほうが良いのは確かである。すべてのコンテンツが揃うのを待たずに、とりあえず募集要項・申請書を公表してくださったことに感謝したい。以下は、事務局を担当されている方からのメールの抜粋である。

年末ぎりぎりになってしまいましたが、モニタリングサイト1000里地調査のwebサイトを公開するとともに、
一般サイトの募集要項・申請書および一般サイト用調査マニュアル暫定版が確定しましたので、同webサイトからダウンロードできるようにいたしました。

一般サイト募集のため、急遽前倒しでトップページを公開しましたので、まだ予定していたコンテンツがそろっていないのですが、順次3月までに公開をしていく予定です。

実は、応募をしても、財政的な援助があるわけではない。この里地調査の意義は、全国でこつこつと里地の生物多様性を調査している多くの心ある人たちの「つながり」を作ることにあるのだと思う。少なくともこの事業の実施を担当されている方々は、「つながり」の大切さをよく理解されている。できるだけ多くの方々に応募していただければと願う。
しかし、一方では、予算の制約や事務局体制の実情も知っているだけに、果たして150地点も応募を受け付けて大丈夫かという不安もある。
環境省サイドでは、「モニタリングサイト1000」というプロジェクト名を掲げた以上、目標の1000地点は達成したい。その目標達成のためには、里地サイトが150地点はほしい、というような経緯で出てきた数字ではないかと想像する。先日の会議で私は、もうすこし数を減らして、採択したサイトに関わる市民に丁寧な対応をしたほうが良いのではないかという意見を述べた。
しかし、他方では、150地点ですら少なすぎるという現実もある。全国150地点という数字は、都道府県あたり約3件に相当する。里地・里山では、航空写真では判読できない変化が、激しい速度で起きている。これらの変化をモニタリングするには、都道府県あたり10地点でも少なすぎるだろう。
このプロジェクトが成功するかどうかは、結局、多くの心ある人たちが、どれだけつながることができるかによるだろう。
一箇所一箇所のデータでは力にならなくても、全国のデータが集められることで、行政や社会を動かす力になるかもしれない。