九大伊都キャンパスでトノサマガエルを確認

環境監視調査の担当者から、九大伊都キャンパス生物多様性保全ゾーンでトノサマガエルを確認したという連絡が入った。送付された写真に写っているのは、間違いなくトノサマガエルである。
トノサマガエルは、環境影響評価のための聞き取り調査で記録されているが、実物が確認されたことはなかった。かつては糸島半島に確かに棲息していたので、まだどこかに残っているだろうとは思っていた。伊都キャンパスのすぐ北側の山には森に囲まれたため池があり、以前からそのあたりが「あやしい」と思っていたが、確認できずにいた。
伊都キャンパス生物多様性保全ゾーンの水辺環境が回復すれば、いつかは移住してきてくれるのではないかと期待をしていたのだが、その期待が現実のものになった。朗報だ。
ちなみに、昨日は理学部圃場予定地の林縁で、ミソナオシを再発見した。ミソナオシは、造成前には数箇所に自生していたのだが、移植作業は失敗し、キャンパスから消失していた。
また、数年間確認ができなかったムヨウランも、今年は1株発生した。保全のために造成予定地から保全緑地に移植したのだが、移植した場所では発生しなかった。今年は、移植地から少し離れた場所で確認された。移植してから7年あまり経つので、移植株から散布された種子から発芽したものかもしれない。
九大伊都キャンパスでは、「全種保全」を実現するために、造成前に2000地点近い場所で維管束植物の分布調査を行った。そのうち1000地点程度は保全緑地として残されている。これらの地点で分布の再調査を行い、過去10年間の分布の変化を調べて見たいものだ。