『くちびるに歌を』

中田太一の青春小説『くちびるに歌を』が、新垣結衣主演で映画化(http://kuchibiru.jp/)。『幕があがる』と同じ2月28日公開。こちらは合唱部。そしてあの、アンジェラアキの名曲「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」が軸となる物語。いいなぁ、この部活青春映画対決。どちらも見に行きますよ。相乗効果でどちらもヒットすることを切に願います。この2つの青春映画はいろいろな意味で対照的。『くちびるに歌を』は良い意味で古典的な青春小説。「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」も、悩んで傷つきながら成長していくという、古典的な青春を歌いあげた歌です。「今負けそうで泣きそうで消えてしまいそうな僕は 誰の言葉を信じ歩けばいいの?」この歌は聞くだけで、泣けてきます。これに対して、『幕があがる』は大人が作りだした古典的な青春小説へのアンチテーゼ。挿入歌の「走れ!」は輝きと躍動にあふれた歌。「笑顔が止まらない! 踊るココロ止まらない! 動きだすよ 君のもとへ 走れ! 走れ! 走れ!」この歌には、生きているのが楽しい、嬉しい、という気持ちがあふれている。もちろん、どちらかだけが真実というわけではありません。泣きたければ『くちびるに歌を』へ。心の中からあふれてくる嬉しさを感じたければ『幕が上がる』へ。どちらも感じたければ、どちらも見に行きましょう。『リトル・フォレスト 冬・春編』も公開されるし、来春の邦画は熱いぞ。