研究優先の週末出張

珍しく、週末にブログを書かなかった。出張していたにもかかわらず、である。
今回の出張は、メキシコのステビアに関する共同研究プロジェクトの研究会。メキシコのステビアでは、無性生殖が繰り返し進化している。性の意味を探るうえでは、格好の研究材料である。10年間、メキシコ全土を調査して、研究材料を集めた。今は、その分析結果を論文にまとめる段階。研究チームのメンバーで、データを持ち寄って、穴をどうやって埋めて、論文に結実させるかを相談した。
有性生殖は、環境変化の下で有利だと考えられているが、具体的な証拠は皆無に近い。メキシコのステビアでは、新たな環境に進出した種が適応放散を遂げていく過程では、有性生殖が有利であるという見方を支持する結果が得られつつある。
故メイナード・スミス博士が京都賞を受賞されたとき、記念シンポで予備的結果を紹介した。博士から、面白いとほめていただいたのが忘れられない。ご存命中に論文にしたかったが、それはかなわなかった。残念至極である。
研究者は、書いてなんぼ、の商売である。最近は、自分の論文が書けていないばかりか、院生の原稿の改稿にもずいぶん時間をかけてしまっている。大いに反省しよう。
出張前に、学生から論文原稿を預かったので、出張中の空き時間には、ブログを書かずに、論文原稿を読んで改稿を進めた。というわけで、ブログをしばらくご無沙汰にした次第である。
大学に戻ると、投稿論文の審査結果が戻っており、minor changeでアクセプトするという返事だ。めでたい。学位審査を控えた主著者と連絡をとって、急いで改訂原稿を準備しよう。