意見

大学教官の専門性への対価(続)

昨日のブログに対するスーパーTSさん、shimotsukiさんのコメントに応え、取材の「対価」と教育評価について考えを述べたいと思います。 発明・発見に対する取材に関しては、当事者は報道による「宣伝」という対価を受け取ると考えるのが妥当だと思います。受…

大学教官の専門性への対価

5月31日のブログで、「専門的知識提供への対価」について問題提起をし、「理系白書ブログ」にトラックバックを送った。これに対して、元村さんが6月1日のブログで応えてくださったので、長い議論が起きた。この問題について、もう少し考えてみたい。 問題を…

専門馬鹿がなぜ悪い?

「理系白書」の元村さんの活躍には敬意を払っている。しかし、5月26日のブログには、大いに不満がある。 元村さん、曰く。 文系の理系音痴を言うのと同じく、理系の「専門馬鹿」(他の専門分野に疎い、無関心)は問題ではないか 理系人の社会リテラシーは十…

報道のあり方(続)

今日は空を2回飛び、研究室に戻ったところ。宮崎での会議の直前に、元村さんからのコメントを見て、短い返信を書いた。今夜中に片付けねばならない仕事がいろいろあるが、元村さんの質問に答えていないのが気がかりなので、ブログを書いてしまおう。まず、質…

報道のあり方

「理系白書ブログ」で、「ほりえもんのメディア論」にコメントしたところ、管理人の元村さんが、意見をとりあげてくださった。 ・空飛ぶ教授さん「情報の正確さが第一。正確な一次情報をネットで得られる状況になれば、新聞はすたれる。正確さを担保できない…

スギの大量伐採は温暖化を促進するか?

今日の毎日新聞3面は、「妙案なくつらい春」と題して、花粉飛散量急増の見通しと、政府の花粉症対策をとりあげている。その記事の中で、納得がいかない説明があった。スギの大量伐採は、温暖化対策に逆行するから、できないというのである。 厄介者だとスギ…

朝日「不機嫌なジーン」記事への疑問

昨日の朝日新聞朝刊に、東大のSさんによる、「不機嫌なジーン」についての記事が掲載された。この記事で、Sさんは、「ドラマの中で浮気の言い訳として引用される『利己的遺伝子』説のような現代版の理論も、社会に普及定着した」と書かれている。とんでもな…

「ゆとり教育」見直し

毎日新聞朝刊1面を手に取ると、「ゆとり教育見直し」と大きく書かれた見出しが目にとびこんだ。記事には、「総合学習の時間削減を視野に」とある。「またか」と思う。「またか」と思う理由は2つある。 1つは、新聞の書き方。同じ毎日新聞朝刊3面には、新…

メスの杉

「花粉の少ないスギ」なんていう、中途半端な品種じゃなくて、雄性不稔、つまりメスのスギを作ればいいじゃんか、と思っていたのですが、幸いにも、雄性不稔品種が見つかったそうです。この無花粉スギ(要するにメスのスギ)には、「爽春」という名前がつけ…

花粉症発症とスギ問題

東京に出かけるたびに、花粉症が顕在化する。手賀沼のほとりでも、鼻がむずむずしていたが、一昨日来の東京出張で、本格的にやられてしまった。私は、喉に影響が出て、咳き込むので、つらい。 昨夜は、寝不足も極限にきていたので、大事をとって、早めに帰宅…

わかってないNHK

ひさしぶりに日曜日を自宅で迎えた。朝・昼兼用の食事をしたので、早めに夕食をとりに行ったのが、運のつきだった。行きつけの食堂のカウンターに、おいしそうな「うどんすき」がちょうど配膳されたときのことだ。NHKの特番「NHKの再生をめざして」が始まり…

「奇人、変人」とは?

福岡空港に到着し、いま、地下鉄車中である。機内で『ゲノム敗北 知財立国日本が危ない!』を読み、和田さんが繰り返し、「奇人、変人」と形容されていることに違和感を感じた。和田さんには、何度かお目にかかったことがある。最初は、有馬さんに続いて東大…

Job raising

日本の将来にとって心配なのは、若者の職が減っていることだ。科学の分野について言えば、昨日も書いたように、国立大学が縮小再生産の時代に突入し、大学教官のポストが減り続けている。この状況にあって、私の世代の科学者がやるべき仕事は、自分が大事だ…

JUPITERと竜王

「NHKニュースおはよう日本・祝日特集『二十歳の挑戦』」に、平原綾香と渡辺明が登場した。なかなか良い人選じゃないか。この2人の将来は、楽しみだ。一過性ではなく、長く活躍できる実力がある。音楽一家に育った平原は、素質・経験値ともに、群を抜いて…

理科教育の行方

昨日、東大駒場キャンパスで開かれた理科教育シンポに参加した、編集者の友人から、「大学の先生の関心は、研究者になるようなエリートの教育に集中していて、国民全体に目が向いていないように思った。また、せっかく参加された高校の先生方の発言のチャン…

Blogに期待するもの

思いがけず、ウェブサイトに書いていた日記を「はてなダイアリー」に移す結果となった。今までよりも、広い「読者層」に読んでもらえるだろうと期待している。「大学教授」といえば、世間しらずで、わがままで、傲慢で、専門バカで、説明能力に乏しいと思っ…