2009-01-01から1年間の記事一覧

伊都キャンパスでの初授業

昨日の5時限目には、伊都キャンパスではじめて授業をした。全学共通科目「環境科学概論」の一コマを担当し、一年生を相手に「生態系・生物多様性」について講義をした。昨年までは講義をしていた六本松キャンパスは、3月末でその歴史に幕をおろした。かわっ…

ジンリョウユリの花を徘徊するコロギス

夜間、ジンリョウユリの花に仕掛けたインターバル撮影カメラに、奇怪な昆虫が写った。どうやらコロギスの仲間らしい。小顎鬚や下唇鬚を使って花粉を集めて舐めているようだ。「口」を開いて「鬚」を動かしている様子は、かなり怪しい。触角には花粉が付着し…

3年目のジンリョウユリ調査

大学院生のYさん、卒研生のSさんと徳島県那賀町に4日間滞在し、ジンリョウユリの送粉生態に関する調査をした。早いもので3年目になる。ジンリョウユリには柱頭とやくがほぼ接していて、いかにも自家受粉しそうな花から、柱頭とやくが大きく離れていて、もっ…

5月をふりかえって

4時半すぎに九大小松門で大きな荷物をタクシーに積み、17時04分発の「ひかり574号」にかけこんで岡山に移動した。いまは徳島に向かう「うずしお25号」の車中にいる。今夜は徳島駅前第一ホテルに泊まり、明日から4日まで、卒業研究生のSさん、大学院生のYさん…

屋久島からソウルへ

今朝、屋久島を始発便で発ち、いちど自宅に戻って着替えたあと、16時45分福岡空港発の大韓航空便でソウル入りした。明日から3日間、韓国国立樹木園開園100周年記念シンポジウムに出席する。 イギリスからの招待者Bellindaさんと話していたら、世界のカエデ属…

ツチガエルがいない

昨日は、ツチガエルの研究を始めるYさんとフィールドを探しに出かけた。伊都キャンパス周辺や、瑞梅寺川流域を車でまわったが、どこでも水田の周囲から水路が姿を消しており、水路があってもほとんど水が流れていない。私の故郷からも、いつのまにか「小川」…

頭花がさらに集合した花

メキシコに自生するDyssodia decipiensの花は、一見ふつうのキク科の花(頭花)に見えるが、実は頭花の集合体である。一番右側の小さな「花」には、上下に2つの頭花があり、それぞれ舌状花をつけた2つの小花と管状花のみからなるいくつかの小花から構成さ…

JBON始動

3日間のJBONコンファレンスが無事終了し、JBON(Japanese Biodiversity Observation Network)が発進した。 JBONコンファレンスのプログラムは、JBONウェブサイト(http://www.j-bon.org/)にある。非常に充実したプログラムなので、広くアナウンスすれば相…

科学研究費補助金データベースと研究者リゾルバー

国立情報学研究所が作成した以下のデータベースが一般に公開された。発声練習さんの記事(http://d.hatena.ne.jp/next49/20090501)で知った。 科学研究費補助金データベース:http://kaken.nii.ac.jp/ja/searchr.cgi 研究者リゾルバー:http://rns.nii.ac.j…

新型インフルエンザに対する九大の対応

九州大学では4月30日づけで「新型インフルエンザ対策行動計画大綱(暫定版)」を発表した。 http://www.kyushu-u.ac.jp/notice/index_read.php?kind=&S_Category=N&S_Page=Main&S_View=&word=&page=&B_Code=1767 今後、「新型インフルエンザ危機管理本部」に…

豚インフルエンザはオハイオ起源?

豚に由来するインフルエンザH1N1型が世界的に感染を拡大している。感染者の確認地点は、下記のサイトでgoogle map上に表示されている。 http://maps.google.com/maps/ms?ie=UTF8&hl=en&t=p&msa=0&msid=106484775090296685271.0004681a37b713f6b5950&ll=32.63…

みどりの学術賞

24日には、みどりの式典に出席して、内閣府みどりの学術賞を受賞しました。 受賞理由は、ヒヨドリバナの研究や「花の性」の執筆などを通じての繁殖生態学への貢献と、植物レッドデータブック編集などを通じての保全生態学と社会への貢献です。どちらも私ひと…

鴨川ホルモー

Yahoo映画レビューなどでの投稿者の評価は高く、レッドクリフIIをしのいでいる。しかし、この高得点は原作に負うところが大きいと思う。原作ファンとしては、残念ながら原作の良さを生かしきれていないと感じた。「映画としてやれることはやりつくしている。…

フトヒルムシロ

福岡県RDB見直し調査で昨日訪問した場所には、フトヒルムシロが自生している池がいくつかあった。ちょうど柱頭が開いていた。フトヒルムシロは春に開花したあと、夏には浮葉を落とし、秋に展葉するそうだ。千島やサハリンまで分布する北方系の種なのに、夏緑…

ケサギゴケ

ムラサキサギゴケは路傍や畦道などに普通の植物だが、本「種」には生態的に異なるいくつかの系統が含まれているようだ。下の写真の植物はそのひとつであり、宮崎県のMさんは「ケサギゴケ」と呼ばれている。九州では水田の畦に多い型である。花茎に白い開出毛…

これは何でしょう?

写真を見てすぐにわかった人は、相当な植物通だ。

森の中の「屋上緑化」

英彦山でもシカが増えていて、林床には悲しいほど植物が生えていない。ところが、予期せぬ場所に、かつての面影をとどめるシダ群落があった。鬼杉谷にある「英彦山野鳥の森観察舎」の屋根の上である。写真のように、オオクジャクシダが群生していた。かつて林…

謎のサクラの正体

先週、英彦山で見た、種名不詳のサクラ(写真)は、どうやらオオシマザクラのようだ。望雲台の岩壁に生えていたので、現地では自生種であることに疑問を抱かなかった。しかし、高住神社周辺にはサクラ類が植栽されているので、その中にオオシマザクラがあった…

テトリス末期状態

新学期はそれだけでも忙しいのだが、今年はJBONワークショップ(5月8-10日)の準備が加わった。JBONワークショップの紹介を書きたいのだが、その時間がとれないまま、日を重ねている。もうすぐ、分科会のプログラムが固まるので、その時点で紹介したい。 土…

「鴨川ホルモー」−バカバカしさを究めるエネルギー

京都に滞在した週末には、ひさしぶりに鴨川べりを歩いた。出町柳の上流側ではちょうど桜が満開であり、下鴨神社の緑、鴨川のせせらぎとのコントラストが心地よかった。鴨川の水は、北山の雲が畑に発し、およそ13kmを流れて出町三角州に至る。ここで高野川…

KさんMさんおめでとう

今日は、東京から京都に移動し、KさんとMさんの結婚式に出た。下鴨神社での挙式に参列させていただいた後、東山山荘での披露宴、屋外パーティ、京阪三条での二次会に出て、0時をまわってからホテルにチェックインした。 今日の京都は、あいにく小雨が降る天…

新年度も多忙

4月のスケジュール表を見て、空き日があるので、面談できないかという依頼が相次いでいる。そこで、「JBONコンファレンス連絡調整」「新卒業研究生指導」などを日程に書き込んだ。 http://seibutsu.biology.kyushu-u.ac.jp/~yahara/schedule/schedule2009nen…

井原山水無谷の春植物

日曜日は、ひさしぶりにフィールドに出かけた。福岡県植物RDB見直しのために、井原山水無谷で春植物の分布状況を調べた。 ヒメエンゴサク 福岡県では生育地がきわめて限られているが、井原山水無谷にはかなり多い。ジロボウエンゴサク こちらは包葉に鋸歯…

納棺夫日記

納棺夫日記 増補改訂版 青木新門著 文春文庫 ISBN:97841673230228 映画「おくりびと」のテーマが「愛」であるのに対して、本書のテーマは「死」。宗教観以前に、とりあげているテーマが大きく異なる。本書の著者が、映画「おくりびと」の脚本を読んで、映画…

おくりびと

「おくりびと」は、「ヤッターマン」とは対極にある映画だ。観ていて、静かな涙が止まらない。 感動作が扱うテーマにはいくつかのパターンがある。友情の勝利、感動の再会、愛する者への献身、永遠の別れ、そして未来への希望。この映画にも、愛する者への献…

ヤッターマン

日曜日には、「ヤッターマン」と「おくりびと」を観た。 この2本を続けて見る映画ファンは、まずいないのではないだろうか。実際、「ヤッターマン」の観客といえば、日曜日ということもあり、親子づればかり。一方の「おくりびと」は、シニア世代ばかりだっ…

リトルチャロ最終回

先週の日曜日、盛岡のホテルにたどりついてテレビをつけたら、「英語でしゃべらナイト」が最終回。さらに、リトルチャロでは、チャロがついにショウタのお父さんと再会、トモコが”Both of our dreams are coming true, on the very same day!”と歓声をあげて…

新年度のスケジュールを公開

東京→新キャンパス→屋久島→コペンハーゲン→ソウル→盛岡、の旅が終わり、ほっと一息。こういうときに油断をすると、体調を崩しがちである。生態学会で燃焼したみなさん、どうかご自愛を。 私の場合、このようなときには、「確実に仕事をした気持ちになれる作…

「空飛ぶ助教」登場

生態学会を終えて、ひさしぶりに「アンテナ」を開いてみると、「断虫亭日乗」さんのブログに掲載された「夜から矢原研の○○さん・・・と「アブラボウズ鍋」を食べに行く」という記事が目に留まった。はてなのアンテナにサイトを登録しておくと、更新されるた…

日本生態学会盛岡大会終了

盛岡駅15時41分発新幹線はやて号に飛び乗り、羽田空港までたどりついた。はやて号(全席指定車)は満席だったので、仙台駅までは立ち席。文一総合出版刊「発芽生物学―種子発芽の生理・生態・分子機構」(ISBN:9784829910726)を読みながら時間をすごした。仙…