頭花がさらに集合した花


メキシコに自生するDyssodia decipiensの花は、一見ふつうのキク科の花(頭花)に見えるが、実は頭花の集合体である。一番右側の小さな「花」には、上下に2つの頭花があり、それぞれ舌状花をつけた2つの小花と管状花のみからなるいくつかの小花から構成されている。以下のサイトにある断面写真を見ると、複数の頭花が集合した「花」の構造がさらによくわかるだろう。
http://jehuite.blogspot.com/2008/12/flores-jugando-muecas-rusas.html
Takenakaさん撮影のコリアンダーの花の見事な写真(http://takenaka-akio.cool.ne.jp/img/2009/05/coriandrum.html)を見て、突然この花のことを思い出した。
一度小型化した花が再び集まるという進化は、いろいろな系統で繰り返し起きている。おそらく昆虫への誘引機能を高めるためだが、花の集合性のコストと利益については、まだほとんど研究されていない。「花序」の進化は、生態学的にも発生学的にも、とても面白い問題である。
コリアンダーは、葉だけでなく、種子も料理に使われる。コリアンダー・シードは、カレーに使われる代表的な香料である。