ツチガエルがいない

昨日は、ツチガエルの研究を始めるYさんとフィールドを探しに出かけた。伊都キャンパス周辺や、瑞梅寺川流域を車でまわったが、どこでも水田の周囲から水路が姿を消しており、水路があってもほとんど水が流れていない。私の故郷からも、いつのまにか「小川」や「水路」というものが姿を消しているという事実を思い知らされた。水田の水をポンプアップするようになってから、小川が消えていることを知ってはいたが、自分の故郷にはまだ小川が残っているような錯覚を持っていた。水田にはまだ水が引かれていないので、田園地帯なのに湿り気が乏しい。冬に麦を植えているため、とくに水位を下げているようだ。
ツチガエルは多くの場合オタマジャクシで越冬するため、冬に水がないと、生きていけない。
結局、ツチガエルが見つかったのは、伊都キャンパス生物多様性保全ゾーンの中だけだった。各地をまわってみて、伊都キャンパス生物多様性保全ゾーンの谷部がいかに良い環境かを思い知らされた。この場所を残すことができて、ほんとうに良かった。将来にわたって、九州大学が世界に誇れる場所になるだろう。