井原山水無谷の春植物
日曜日は、ひさしぶりにフィールドに出かけた。福岡県植物RDB見直しのために、井原山水無谷で春植物の分布状況を調べた。
ヒメエンゴサク
福岡県では生育地がきわめて限られているが、井原山水無谷にはかなり多い。
ジロボウエンゴサク
こちらは包葉に鋸歯がない。花は赤みを帯びている。
ホソバナコバイモ
本種については分布地の緯度・経度を記録し、個体数を数えたが、予想以上にたくさんあった。
ヒカゲミツバ
福岡県ではきわめて珍しいものである。花期はまだなので、葉を写真に撮ってきた。個体数はかなり少ない。花期に再調査が必要だ。
タチネコノメ
隣のダルメキ谷で確認した。本種も福岡県では希少種。
以上の希少種は、絶滅のリスクは少ない。一方で、かつてはかなり普通に見られた「ある植物」が激減していた。CRランクでリストすべきかもしれない。また、絶滅したのではないかと考えていた別の種が、2株確認できた。しかし、たったの2株。絶滅寸前である。
井原山の温帯域で、常緑樹の進入が激しいのに驚いた。温暖化の影響だろう。衛星画像で、植生の変化を調べたほうが良いかもしれない。落葉林が常緑林に遷移すれば、ほとんどの春植物は消滅するだろう。
エイザンスミレ
これは希少種ではない。T君の研究材料なので撮影してきた。T君の論文は、もうひと頑張りすれば投稿できそうだ。T君がんばれ。