屋久島からソウルへ

今朝、屋久島を始発便で発ち、いちど自宅に戻って着替えたあと、16時45分福岡空港発の大韓航空便でソウル入りした。明日から3日間、韓国国立樹木園開園100周年記念シンポジウムに出席する。
イギリスからの招待者Bellindaさんと話していたら、世界のカエデ属のレッドリストを作成するプロジェクトの関係者だと判明。私は日本のカエデ属についての情報を提供することになっているのだが、約束を果たしていない。こんなところで督促を受けるとは思わなかった。ドイツからの招待者はサトイモ科の研究をしていて、Jinさんとお友達だそうな。世界は狭い。
ちなみに、屋久島ではYさんの案内で、ヒイラギナンテンの自生地を訪問した。生育地の状態から判断して、自生としか思えない。ヒイラギナンテンMahonia japonicaは、日本で栽培されていた植物をもとにThunbergによって"japonicaと命名された。その後の文献では、自生はヒマラヤ・中国・台湾にあり、日本に自生はないと記されてきた。よもや屋久島に自生があろうとは、想像だにしなかった。
Yさんによれば、屋久島には少なくとも4箇所の自生地があるそうだ。場所を聞くと、いずれも私がまだ歩いていない場所だった。屋久島に関しては、相当歩いたつもりだが、まだ新しい植物が見つかる。おそるべき場所である。
屋久島では、以前にこのブログ(http://d.hatena.ne.jp/yahara/20061016)で紹介した小型のタネツケバナも再確認した。花茎の高さは1−2cm程度。同行したM君は、その小ささに驚嘆していた。多年草なので、おそらくオオバタネツケバナが小型化したのではないかと想像している。染色体数とDNA配列を調べれば、起源はわかるだろう。屋久島の矮性植物の小型化がどのような遺伝子の変化でおきたかを調べるうえで、格好の材料である。