森の中の「屋上緑化」

英彦山でもシカが増えていて、林床には悲しいほど植物が生えていない。ところが、予期せぬ場所に、かつての面影をとどめるシダ群落があった。鬼杉谷にある「英彦山野鳥の森観察舎」の屋根の上である。写真のように、オオクジャクシダが群生していた。かつて林床には、このようなシダ群落が普通にあったのだ。今回、オオクジャクシダとイワヘゴを見たのは、この屋根の上だけだった。いずれもかつての普通種だが、いまや絶滅寸前である。「英彦山野鳥の森観察舎」の屋根の上が、英彦山最後の自生地かもしれない。