IPBESアセスメント枠組み文書完成

IPBESアセスメント枠組み文書作成のためのワークショップは、昨日、5日間の日程を終えた。6時に起きてメールをチェックすると、今朝(深夜)1時25分に、全体のリードをつとめたAnanthaから、最終草案が届いていた。これから8月5日までに、この草案をチェックして、コメントを返す。いくつか気になる点があるので、今日中に片付けるつもり。
IPBES(生物多様性IPCC)という国際的な機構の立ち上げという歴史的な仕事に参加できたのは、とても光栄だった。私がThomasと一緒に担当したindicators and data以外の部分ではほとんど議論・起草に貢献できなかったが、担当部分に関しては責任が果たせたかな、と思う。概念や組織に関する英語の議論が足早に進むなかで、事前準備がない課題について、自分の考えをまとめて発言するというのは、なかなか難しいものだ。昨日は、社会・経済的なデータの統合を独自に進めるか、GEO BONに託すかという議論のところで、一回だけ発言できた。この話題については、GEO BONに関わってきた経験があるので、すぐに考えをまとめることができた。
IPBESは、国連の「ミレニアム生態系評価」を引き継ぐ。実際のアセスメント結果が公表されるのはおそらく2015年以降になるが、大きな仕事になることは間違いない。アセスメント枠組み文書草案で、indicators and dataの部分を担当したのは、幸運だった。この部分の提案が、新しいアセスメントの特色を決めることにつながる。第一の特色は、生態系ではなく、「社会・生態系」に焦点をあてること。第二の特色は、生態系サービスだけでなく、「ミレニアム生態系評価」で弱かった生物多様性へのアセスメントをしっかりやること。そしてこの両者を関連づけることだろう。