2008-01-01から1年間の記事一覧

下村さんの偉業

小林さん・益川さんに続いて、下村さんがノーベル賞を受賞されたことは本当に嬉しいニュースである。下村さんの場合、「オワンクラゲはどうやって光るか」という、いかにも役に立ちそうにない研究から、応用的価値の高い成果が生まれ、ノーベル賞へとつなが…

益川さんおめでとうございます

ノーベル賞を受賞された益川さんとは、一度だけだが、京大で開催されたシンポジウムでご一緒したことがある。たしか、「5年後、50年後、500年後の科学」というテーマのシンポジウムである。当時京大にいた友人のT君から口説かれて、「5年後、50年後、500年後…

2週間分のメール消失

合衆国出張中に大学あてに届いたメール数百通の大部分をうっかり消去してしまいました。20通ほどには返事をしましたが、それ以外は全部消えました。返事が届かない方は、お手数ですが、もういちどメールをお送りください。 なお、届いたメールがサーバーの制…

アパラチア山地におけるクリの激減

アパラチア山地において、クリ属の種(Castanea dentata)がアジアから侵入した菌による病害のために激減したのは有名な話だが、具体的なデータを調べてみたことはなかった。今回の旅行で、Coweeta試験地で行なわれた研究成果を報告した論文の別刷をいただい…

筑波(カフェベルガ)

無事帰国

成田空港に無事到着。F君のブタクサハムシ検疫も無事終了。事前に輸入許可をとっているので、許可関連の書類がすでに成田の植防オフィスに届いていた。 国内線カウンターまで荷物を運び、サクララウンジでシャワーをあびた。 待ち時間が2時間あまりあるので…

ニューヨークの治安

昨日は、ニューヨーク市内の道路が予想以上に渋滞していたため、空港にたどり着いた7時すぎには、すでに暗くなっていた。部屋代が高くても、空港敷地内の利便性のよいホテルに泊まる計画だったが、空港入り口のホテルエリアへの表示を見過ごしてしまった。…

日本から合衆国東部に帰化した侵略的外来種

昨夜はリッチモンドの北に投宿。これからワシントンDCを通って、ニューヨークに向かう。 F君がブタクサの種子とりをしている間に、今回の旅で目についた日本産の植物について、http://plants.usda.gov/java/nameSearchを使って調べている。 アキノエノコ…

アパラチア旅行:Blue Ridgeを経てCoweetaへ

28日は、ハイウェイ81号線を南西に飛ばして、バージニア州中部のBuchananという小さな街まで南下した。81号線と平行して、アパラチア山脈が北東から南西に伸びている。Buchananの街から少し南に(時間にして5分ほど)道をとると、そこはアパラチア山脈の山す…

霧に煙るブルーマウンテン

昨日は、昼までMichaelとDIVERSITAS関連の打ち合わせをしたあと、ペンシルバニア州のBethelという小さな街まで来た。Confort Innに宿をとった。 ニューヨークの北側をまわる178号線を通ってニュージャージー州に入り、78号線に乗りついで西に走ると、ペンシ…

警察沙汰・特別セミナー・ジャノメチョウ

一昨日は、Boris Igicを囲んでの夕食会に招かれ、イタリア料理を食べた。夕食会が終わり、9時半ころに博物館横の駐車場に戻ってみると、レンタカーの右ドアのガラスが割られていた。何も荷物は置いていなかったので、最初は単なるいたずらかと思ったが、すぐ…

サイエンス・プランを書く毎日

Yale Universityに滞在し、DIVERSITASの新コアプロジェクト、bioGENESISのサイエンスプランを改訂する作業をしている。私はYale UniversityのMichael Donoghueとともに、bioGENESISの議長をつとめている。本来なら、サイエンスプランを3月のDIVERSITAS科学委…

コネチカットでの滞在先

昨日は、JFケネディ空港でレンタカーを借り、ニューヨークからコネチカット州イースト・ヘヴンまでドライブして、4時ころにホテルにチェックインした。出発前の忙しさからとりあえず開放されて、ほっと一息ついている。もちろん、これからこちらでの仕事が始…

シカの天敵はオオカミだけだったのか?

昨日は、宮崎グリーンヘルパー養成講座で、4時間の講義をした。受講者から、シカを管理するためには天敵であるオオカミを復活させるべきではないか、という質問があった。 人間が関与する前の生態系では、シカの天敵はオオカミだけだった。そのオオカミが絶…

やっくんの貧乏くじ

木曜・金曜は、2日続けて東京に日帰り出張をした。通常なら一泊するのだが、台風の動きが心配だったので、木曜日の夜に一度福岡にもどった。今日はこれから宮崎。明日から合衆国出張。空を飛ぶ毎日である。 写真は、羽田空港で見つけたお菓子の装丁。一年前…

阿蘇シンポ

昨日から、総合地球環境研究所湯本プロジェクト「日本列島における人間―自然相互関係の歴史的・文化的検討」の研究集会に参加している。 昨日は、公開シンポジウム「阿蘇・くじゅうの草原の歴史と未来を探る」が開催された。阿蘇の草原の歴史を知り、その未…

奇跡的な日

東大鷲谷研で打ち合わせ中に、熊本県知事が川辺川ダム計画白紙撤回を求める見解を県議会で発表したという大ニュースが飛び込んだ。歴史に残る決断だと思う。どのような代替治水対策をとるか、水没予定地の五木村振興策をどうするか、という問題はあるが、国…

考察と結論の書き方に関するコメント

9月1日から8日まで、えびの高原で野外実習を担当。8日に福岡に戻って、今日まで実習のまとめに対応した。午後のポスター発表で、すべての実習日程が終了。毎年、この実習が終わると、秋を感じる。 久しぶりにブログを見ると、8月15日の記事「考察の書き方:…

植物の多様性維持機構への質問

日本進化学会「夏の学校」での私の講演に対して、yamadaさんから、3つの質問をいただいた。以下はこれらの質問への回答。 ?Yahara先生のお考えでは、植物の多様性維持機構を最もよく説明する説は ニッチ分化説で、中立説も重要だが、中規模かく乱説やジャン…

日本進化学会大会に参加中

東大駒場キャンパスで昨日から日本進化学会大会が開かれている。昨日は九大の大学院編入試験に対応するために欠席し、今日から大会に参加している。 明日は、シンポジウム講演に加え、夏の学校で「植物の生態学」という講義をする。これまで夏の学校で何度か…

「メール」の枕詞募集

○○のメールの返事に明け暮れて ふと気がつけば今日も終電 この「○○」にぴったりくる枕詞はないものだろうか。妙案に気づかれた方は、ぜひご一報ください。 海外からのメールに対応しているうちに、とんでもない依頼に気づいた。3月にコペンハーゲンで開かれ…

938通のメール

ついにお盆休みが終わった。この一週間あまり、大学のメールボックスを開かずに、学生の論文原稿改訂に専念した。大学教員にとっては、至福の時間である。 しかし、いつまでもこの暮らしを続けるわけにはいかない。3時半からはシステム生命科学府の教授会、…

考察の書き方:結論を先に書くか、後に書くか?

論文をある程度書きなれている人にとっても、考察において結論を先に書くか、後に書くかは、悩ましい問題ではないだろうか。結論を先に書くほうが、読者には親切である。しかし、結論を先に書いてしまうと、考察の結び方に苦労する。結論をもういちど繰返す…

論文の書き方:結果から結論をどのように導くか?

※図が表示されない場合には→http://seibutsu.biology.kyushu-u.ac.jp/~yahara/logictree.JPG 論文では通常、複数の結果を記述する。しかし、主要な結論はひとつでなければならない。なぜなら、論文を書く目的は、何らかの主題(テーマ)に答えることであり、…

実家

ダークナイト(続):バットマンはなぜジョーカーを殺せないか?

朝早く眼が覚めると、「ダークナイト」のことを考えていた。鑑賞から数日経っても、バットマン、デント、そしてジョーカーという3人の人物像についての強烈な記憶がよみがえる。恐ろしい映画である。 ジョーカーはバットマンが戦う敵であり、究極の悪である…

ダークナイト

ネタばれなしには書けないので、筋書きを知りたくない人は読まないように。 バットマンシリーズの最新作なのだが、タイトルにバットマンの名はない。このタイトルは、シリーズ中の一作ではなく、独立した作品であることを宣言している。 この作品で描かれて…

人間ドック

視力などの検査と腹部エコーが終わり、「マグコロールP」服用を開始した。これから10分おきに飲んで、腸内をきれいにしてから、大腸の内視鏡検査をする。 老眼の進行にあわせて、眼鏡を新しくしたので、視力は両眼とも1.5に回復した。 4月から、就寝前に腹筋…

冒頭文(ヘッドライン)の重要性

論文であれ、一般書であれ、文章を読むときに私は、段落の冒頭の文章(ヘッドライン)だけを拾い読みすることが多い。ヘッドラインだけを拾い読みしても十分に意味がとれる文章は、わかりやすいし、読みやすい。そして、このような文章では、ヘッドラインの…

森がきた道、すすむ道

今夜は、九大伊都キャンパスで活動している3団体(福岡グリーンヘルパーの会、市民の手による生物調査、環境創造舎)の打ち合わせ会に出た。そのあと、福岡グリーンヘルパーの会、市民の手による生物調査の参加者と二次会に出かけ、帰路についたところ。地…