瀬名さんは「これポ」を絶賛ー評価は私と正反対

瀬名ブログのひとつ「瀬名秀明の時空の旅」で、「これポ」が絶賛されている。評価するところ、しないところが私と正反対なので、興味深く拝見した。

  • とてもよいと思うこと。まずレポート・卒論は学術文書であると明確に定義、感想文や作文の類ではないと述べている。これ、すごく重要。
  • 第3部の「日本語の文章技術」は不要。「本田勝一の『日本語の作文技術』を別途読め」の一言で充分。

私のブログを読んで、あえて正反対の評価をしなのじゃないかと思うほど、評価が逆転している。
瀬名さんは、東大駒場の講義で、「私が注目する科学技術インタープリター」というテーマのレポートを出していなかったっけ、と記憶をたどって検索してみた。すると、2005年10月25日 (火)の講義ブログで、こう書かれていた。

「私が注目する科学技術インタープリター」というテーマでエッセイを書くこと。
枚数は原稿用紙8枚(400x8=3200字)。自分の注目する科学技術インタープリターを3人以上挙げ、彼らについて自分がどう考えるのか、なぜ注目しているのかを書き、彼らの主要な仕事を紹介する。

なるほど、「エッセイ」だったのね。「エッセイ」と「レポート」をきちんと区別されていたわけだ。えらい。目からウロコが落ちました。
上記の「これポ」絶賛記事にはこう書かれている。

  • 実際、自分の生き方を述べたものとか、自分がたまたま知らなかっただけのことを調べてよしとするレポートがとても多いのだ。これはレポートを出題する教員の側にも実は問題があって、教員自身がレポートって何なのか、どのへんが採点の基準となるのか知らないことが多い。よって本書は助教以上の全大学教員の必読書でもある。

この点には、同意します。「これポ」は、教員こそ読むべきだろう。
ただし、「これポ」に対する私の評価は、依然として変わらない。
「エッセイ」と「レポート」をきちんと区別することには賛成だが、教員が学生に要求する「レポート」は、「エッセイ」の場合が少なくない。そして、説得力のある「エッセイ」を書く技術を学ぶことも、大学生には重要なのだ。
また、調べて書くプロセスでは、いきなり論文形式をめざしても、うまくいかないことが多い。これは、5年間、少人数ゼミで一年生を教えた経験からの結論である。
昼休みが済んだので、続きはまた。