ワクワクしないイノベーション

久しぶりに総合科学技術会議のサイトを開いたら、「イノベーション創出の鍵とエコイノベーションの推進」(中間報告)」という文書が公開されていた。「エコイノベーション」というフレーズに興味を持って、文書を開いてみた。

  • 第一章:先進事例に学ぶイノベーションを創出する7つの「ツボ」と100の「コツ」

う〜ん。少し読んでみたが、楽しくない。肩がこる。イノベーションの創出って、もっとワクワクする仕事じゃないのかなぁ。

  • ツボ1:研究開発を経営戦略の中に位置づけることによる技術経営力の強化

この項目が7つの「ツボ」の筆頭にあるのが、何か悲しい。いったい何のためにイノベーションをするのかというと、要するに、金儲けの話なのだ。

  • ツボ2:改良ではない、ニーズの本質の把握と、科学への遡り

生物進化の圧倒的大部分は改良なんだけどね。「本質」は脳内にあるものだし。

気持ちはわかる。でも、「知の融合」や「発想の転換」を強制されるのは、楽しくないなぁ。本来、自由な好奇心をもつ人は、知の拡大・融合を求める動機を持っているのですよ。それを邪魔しているのは、いったい誰だ。
あと4つのツボがあるけど、もうおなかいっぱい。
100の「コツ」をスクロールしたら、気持ちが萎えました。
第二章・第三章は省略。

<21世紀は、供給者よりも「受け手」を中心とした「人間重視」による持続的な発展を重視すべき時代である>と、一見もっともなことが書いてある。
<我が国は、環境・省エネ技術や感性をモノに化体させるワザに強みを有しており、・・・>
「化体」? ケッタイと読むのかな?
<環境価値の「見える化」による生活者・ユーザーの消費行動の自発的転換>
見える化」って、日本語乱れてませんか?
それに、生活者・ユーザーの消費行動を「レッテル」で操作しようという魂胆が「エコイノベーション」の構想に堂々と書かれているのは、かなり悲しい。
<人間の五感・感性の計測・分析(人間工学・認知工学等)を踏まえ、感性価値の共創が生まれやすい(中略)環境の実現を促す>
これが「人間重視」のイノベーションですか。う〜〜ん。
まさか、「共創」は「競争」とかけているとか。これはうがちすぎか。