Blogに期待するもの

思いがけず、ウェブサイトに書いていた日記を「はてなダイアリー」に移す結果となった。今までよりも、広い「読者層」に読んでもらえるだろうと期待している。「大学教授」といえば、世間しらずで、わがままで、傲慢で、専門バカで、説明能力に乏しいと思っている人が多い。実際、そういう傾向が無いとはいえない。前理学研究院長の下で、企画委員をしていたとき、理学部の卒業生へのアンケート調査に関わったことがある。理学研究院長が、外部のコンサルに調委託されたアンケートの、調査項目設定や、集計・分析についての議論に加わった。そのアンケートの回答中に、在学中に教わった教授への恨みごとが書かれているものがあった。一部ではあったが、しかし一割近い比率だったと記憶している。「一割」の卒業生が、大学に強い不満を持っている状況は、なかなか厳しい。国立大学の法人化が計画されたとき、国立大学以外からの反対の声がほとんどあがらなかった。もし国立大学が、多くの卒業生を味方につけていれば、公務員と経費の節減をねらった「法人化」の愚策が実行に移されることはなかったろう。今や、私が「科学」に書いたとおりの現実が進行しており、ポストも校費も、目にみえて減りつつある。国立大学は、縮小再生産の時代に突入した。この状況が続けば、いくら重点研究費を増やしても、日本の科学力は、じりじりと低下するのではないか。もはや、岩波の「科学」のような、科学者相手の雑誌に意見を書くだけでは、ダメだ。もっと幅広い層の国民と、対話につとめ、大学や科学への支持を広げたいものだ。この願いをこめて、ウェブ日記を書き続けてみようと思う。