アシロマ会議場に到着、機内映画の感想

陸水生物多様性の国際ワークショップのあと、天草に飛び、天草臨海実験所で1日から開催中の沿岸域生物多様性の国際ワークショップ初日に出て、10分間のあいさつをしたあと、カリフォルニアに飛び、さきほどアシロマ会議場に到着。移動中も仕事を続け、成田空港のJALラウンジまでは仕事にかかりきりでしたが、機内で1時間ほど仕事をしたら、さすがに疲れが出て、集中力が途切れました。今回はJAL便を使ったので、機内の邦画メニューが充実しており、ひみつのアッコちゃんるろうに剣心天地明察、と3本見たら、カリフォルニアについてしまいました。1時間+2時間×3=7時間なので、離着陸時や機内アナウンスの時間をいれると、8時間くらいのフライトだったのでしょう。成田を5時発なので、カリフォルニアについたのは日本時間で午前1時ころでしょうか。というわけで、カリフォルニアまでは一睡もせず。さすがに眠いので、これから仮眠をとります。
ひみつのアッコちゃん」は映画館で観ようとは思わない作品。ただし、原作が懐かしいのと、綾瀬はるかのボケに期待して、この機会に観てみました。大人に変身したアッコちゃん役をやらせるなら、確かにこの人しかいないでしょう。その期待は裏切られませんでしたが、脚本と映像がいまいち。
るろうに剣心」も、原作が懐かしい。こちらのヒロインは、武井咲。今年いちばん目立った若手女優と言っていいでしょう。時代劇の演技やいかにと思って観たら、前半は期待はずれ。監督がこういう演技を要求したのかもしれないけど、演技が軽い。クライマックスの、殺してはいけない、殺さずの誓いを守ってと息を切らせながら剣心に呼びかけるシーンは、迫力がありました。剣心役の佐藤健は、体の動きがよく、殺陣もうまくて、びっくり。かっこいいです。はまり役ですね、これは、シリーズ化されるかも。また、脇役の蒼井優の存在感はさすがです。武井咲に負けないはずの笑顔を封印し、妖艶さと影のある表情で、主役を食っていました。武井咲は10年後にこれだけ存在感のある役者になれるでしょうか。
それにしても、香川照之は出番が多いですね。あるときは鏡の精(アッコちゃん)、あるときは悪徳商人(るろうに剣心)、またあるときは記憶をなくした殺し屋コンドウ(鍵泥棒のメソッド)。コクリコ坂の理事長役で声優もやったし。「わっはっは」と笑うだけでシーンを作ってしまえる人です。
天地明察」は、映画館で観たいと思いながら、時間がなく見逃した作品。暦を作るという科学的な作業をうまくドラマにした作品で、科学者としては共感度100%。自ら考案した大和歴の正しさを立証するために、切腹をかけて、日食の予測日時にやぐらの上に立つシーンには、科学者魂を感じました。ただし、日食のたびにカラスの群れを飛び立たせるのはやりすぎでは。
どこまで史実なんだろうと思って、Wikipedia渋川春海http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%8B%E5%B7%9D%E6%98%A5%E6%B5%B7)を見ると、「21歳の時に中国の授時暦に基づいて各地の緯度を計測し、その結果を元にして授時暦改暦を願い出た。ところが、・・日食予報が失敗したことから、申請は却下された。春海は失敗の原因を研究していくうちに、「地方時」(今日でいう時差)・・・に気づいた。そこで、・・・自己の観測データを元にして授時暦を日本向けに改良を加えて大和暦を作成した。春海は朝廷に大和暦の採用を求めたが、・・・春海の暦法を根拠のないものと非難して授時暦を一部修正しただけの大統暦採用の詔勅を取り付けてしまう。これに対して春海は「地方時」の存在を主張して、中国の暦をそのまま採用しても決して日本には適合しないと主張した。その後、春海は暦道の最高責任者でもあった泰福を説得して大和暦の採用に同意させ、3度目の上表によって大和暦は朝廷により採用されて貞享暦となった。」とあり、脚色はされているものの、大筋は史実なんですね。江戸の和算についてはある程度知っていましたが、暦の研究がこんなにも進んでいたとは、知りませんでした。岡田准一宮崎あおいの二人が好演。笹野高史岸辺一徳のキャスティングは絶妙。派手な映画ではありませんが、名作です。