復興のグランドデザイン・「科学者」への違和感

金曜日の日本学術会議緊急集会では、被災地復興のグランドデザインを描くために、日本学術会議の総力を結集すべきだという発言があった。必要な課題だとは思うが、違和感も感じた。その理由はふたつ。ひとつは、何よりも地元の方々の自発的意思や考えを大切にして、ボトムアップで復興のデザインを描く必要があると思うから。もうひとつは、グランドデザインは価値観がからむ課題であり、日本学術会議会員科学者の多くは、価値観の扱いに慣れていないと思うから。
3.11は、日本社会のあり方に大きな課題をなげかけている。同時にまた、科学と科学者のあり方にも、大きな疑問をなげかけている。科学技術が人間を幸せにすると考える人は、福島原発の事故によって、さらに大きく減ってしまったことだろう。現場で事故対策に奔走している東電職員や消防隊員の努力には多くの国民が共感しているが、おそらく「科学者」には、冷やかな目が向けられている。ツイートで情報提供につとめられている早野さんや中川さんのような方々の努力は、ありがたい。しかし、彼らは例外的な存在のように思える。
※パリに無事到着し、夕食を済ませたところ。現地時間で20時10分(日本時間4時10分)。さすがに眠い。そろそろ寝る。