DIVERSITAS科学委員会初日

DIVERSITAS(生物多様性国際研究プログラム)科学委員会に出席している。今日は2日目。
昨日(初日)は、4つのコアプロジェクトと、4つの分野横断ネットワークからの報告に加えて、ICSU(国際科学会議)から「グランドチャレンジ」文書に関する説明があり、これに応じた組織再編の妥当性について熱い議論が交わされた。

によれば、

ICSUは、1931年に非政府、非営利の国際学術機関として設立され、学問分野を代表する国際学術団体と各国を代表する科学アカデミーの双方を束ねる科学者コミュニティの国際的な要であり、 いわば科学者の国連とも呼べる組織です。日本学術会議はICSU創立以来、日本を代表して加入しています。

とのこと。ICSUはDIVERSITAS, IGBP, IHDP, WCRP, ESSPという5つの環境関連プログラムの上位組織(≒スポンサー)である。したがって、ICSUの意見はDIVERSITASにとっては重い。ICSUは昨年、"Earth System Science for Global Sustainability: The Grand Challenges"と題する文書を発表した。昨日の会議では、DIVERSITASなど(生物多様性科学、地球科学、人文科学、気候科学、これらの統合をになう)5つのプログラムの統合が「グランドチャレンジ」を推進するためのひとつの解だという説明があった。当然のことながら、すでに知名度があり、実績もあるプログラムの名前を変えるのはよくない、統合には時間と労力がかかる割に得るものがない、という意見が出た。
こういう「熱い」議論(しかも英語)に、時差ボケ状態で参加するのは、かなりつらい。
科学の方向性について、実績と経験と知恵のある科学者が集まって議論し、文書を作っていくことは必要だし、有益だと思う。その場に参加できていることはありがたいし、はげみにもなる。よく考えて、できるだけ建設的な意見を出して、議論に貢献したい。
しかし一方で、新しい科学の発展は、このような議論だけでは生まれないとも思う。国際的な協働作業に貢献するとともに、少数意見であっても自分のアイデアを大切にして、独自の新しい方向をめざす努力を怠ってはいけない。
う〜ん、あまりに当たり前の、説教臭いことを書いてしまった。会議に向かうエネルギーを引き出すために、自分を戒めているだけです。