DIVERSITAS科学委員会初日

科学委員会は、Hal Mooney委員長の挨拶と参加者の自己紹介のあと、ICSUとのテレコンファレンスで始まった。科学委員会の参加は3回目だが、アクロニム(略号)にはいまだに泣かされる。ICSUは、 International Council for Scienceの略。ネットで調べると、知恵蔵に以下の解説があった。

ICSUは、1931 年(昭和 6 年)にブラッセルで設立された非政府、非営利の国際学術機関であり、 1931年に設立された非政府、非営利の国際学術機関。国際数学連盟などの国際的な学会組織と全米科学アカデミー、ロンドン王立協会などの国家アカデミーで構成される。日本からは、日本学術会議が国家アカデミー会員として加入している。事務局はパリにある。国際地球観測年(IGY、1957〜58年)や世界気候研究計画(WCRP、80年〜)、地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP、86年〜)といった大規模な国際共同研究計画を単独で、あるいはユネスコなどの国際機関と共同で実施してきている。

テレコンファレンスでは、GAが・・・、GAが・・・、という説明が続いた。最初はG8かと勘違いしたが、そのうち評議員会のようなものだろうと察しがついた。あとで調べてみると、General Assembly の略だとわかった。
ICSUとのテレコンファレンスのあとは、わたしが共同議長をつとめるbioGENESISコアプロジェクトの報告だ。今年は、サイエンス・プランが完成し、校正段階の文書のpdfファイルが配布されていたので、晴れ晴れしい気持ちで会議に出席できた。会議中に校正を済ませれば、2月中にはリリースできるだろう。
その後は、他の3つのコアプロジェクト(bioDISCOVERY, ecoSERVICES, bioSUSTAINABILITY)、3つのcross-cutting network(agroBIODIVERSITY, freshwaterBIODIVERSITY, ecoHEALTH)、新しいcross-cutting network(oceanLIFE)、DIVERSITASと関係の深い2つのプロジェクト(Global Invasive Species Programme, ESSP)の報告が続き、それぞれの報告のあとで15程度の討論をした。いつものことだが、日本の貢献がほとんど見えないことを痛感する。もし私がこの場にいなければ、日本のプレゼンスはほぼゼロである。
日本人の研究レベルは決して低くない。にもかかわらず、その貢献が見えないのはなぜかといえば、第一に研究者の組織的なとりくみが弱いから、第二に研究者のネットワークがほとんど「島国」の中に閉じているからだと思う。
COP10を来年に控え、このままではいけないと考え、生物多様性研究の国内ネットワークを強化するための会議の開催を計画している。その計画についてはまた後日。