エゾキスゲのつぼみに群がるシワアリ

yahara2008-07-02

エゾキスゲを観察していて気付いたことの続報。写真のように、つぼみにはしばしばアリが見られる。知人の同定によれば、シワアリという種類。
おそらくエゾキスゲのつぼみの表面から花外蜜が出ているのだろう。つぼみには他にもさまざまな昆虫が訪問している。シワアリは、食害者からつぼみを防衛しているのかもしれない。
エゾキスゲのつぼみはまた、写真のように暗紫色に着色していることが多い。おそらく表皮細胞で、アントシアニンが合成されているのだろう。つまり、エゾキスゲアントシアニン合成系の酵素遺伝子をすべて持っているに違いない。一方、エゾキスゲの花ではアントシアニンは合成されず、したがって花色は黄色である。おそらく、赤花から黄花への花色の変化は、MYBのような調節遺伝子の変化によるものだろう。