世界が身近な時代

一時限目で、「生態学I」の最後の授業を終えた。間髪を入れずに、明日の「集団生物学」の準備を始めたが、この授業も明日で最終回である。
生態学I」の授業では、最後に、九大・生態学関連分野の卒業生が世界各地で活躍していることを示す世界地図をスライドで見せて、「みなさんも海外で活躍することを視野に入れて、これからの大学生活を送ってください」というメッセージを送った。このメッセージは、ごくふつうに受け止められたのではないかと思う。私が大学一年生のころに比べれば、世界はとても身近になった。
昼食のお弁当を食べながら朝日新聞を読んでいたら、「ハーフェズ ペルシャの詩」の記事が出ていた。いよいよ日本で上映開始だ。1月19日から東京都写真美術館ホールでロードショウがスタートし、その後全国の小劇場系映画館で順次上映される。しかし、公式サイトを見ると、福岡での上映予定は書かれていない。そのうち上映されるだろうが、月末に上京する機会があるので、東京都写真美術館ホールで見てこようなかと思う。
麻生久美子の海外初進出作品だが、監督はイランのアボルファズル・ジャリリ。この監督の映画はまだ見たことがないが、国際的に評価の高い『少年と砂漠のカフェ』についての記事は、読んだ記憶がある。麻生久美子を抜擢した経緯について、公式サイトに次のように書かれている。

ロカルノ映画祭で『カンゾー先生』の麻生久美子さんを初めて観ました。そして、彼女の演技に感銘を受けると同時に、なにか特別なエネルギーを持っている人だと感じました。

この映画を通じて、イランという国が日本人にとってもっと身近になると良いなと思う。
先週の水曜日には、日曜以来4日間の授業準備・授業にへとへとになったあと、「カンナさん大成功です」を見てきた。日本の漫画を原作とする韓国映画である。デブであることにコンプレックスを持つバックシンガーのヒロインが、あこがれのディレクターの一言に傷つき、自殺未遂の末に、全身整形でスリムな体と美貌を手に入れる。しかし、ウソをついて生きることの苦しさに直面し、やがて・・・。というお話。「何でもできるのは神様だけ。人間は自分ができることをすればよい。」というメッセージを、痴呆症の父親に語らせ、この一言をヒロインが口にすることで、ウソがばれてしまうという設定などは、お見事。
先週には、この映画くらいしか私の関心を呼ぶ上映作品がなかったが、今週から「アース」の上映が始まった。北極のナヌーは見ずに済ませたが、「アース」はぜひ見たい。映画館での予告編で、その映像の美しさと迫力に圧倒された。この映画を見れば、誰でも自然に、地球全体へのまなざしを持つことだろう。
もうひとつ、「テラビシアにかける橋」も見たい作品である。福岡での上映は19日から。ヒロインの女の子のは、どこかで見た記憶があると思ったら、「チャーリーとチョコレート工場」のガム中毒の子だ。あの小憎らしい役を演じていたのは、アナソフィア・ロブ。公式ページを見ると、"Changing the World"というページが用意されており、次のように書かれていた。

Making The World A Better Place
Below are some sites to non profit organizations that are trying to make our world a better place. I am learning every day about ways I can become more aware of issues in our country and around the world. Please take some time to do some of your own exploring and let’s see how we can make a difference.
AnnaSophia

このあとに、DarfurとThe Dalits of Indiaへのリンクが設定されている。まだ中学生だが、これだけはっきりした意思表示ができることに、好感を持った。自分の国、アメリカ合衆国が国内外でやっていることに、どういう考えを持っているのだろう。いずれ、意見が表明される日が来ることを期待したい。