科学コミュニケーション

科学者と市民の間のコミュニケーションの担い手を育てようという教育プログラムが3つの大学(北大・早稲田大・東大)で開設されている。いずれも平成17年度科学技術振興調整費のサポートを受けてスタートした。科学技術振興調整費が支援する新興分野人材養成の課題のひとつとして、「科学技術コミュニケータ」がとりあげられ、8つの大学がこれに応募し、3つが選ばれた。
おそらく、渡辺正隆さんらの政策提言「科学技術コミュニケーション拡大への取り組みについて」などがきっかけとなり、一つの流れができてきたのだろう。
瀬名さんの講義ブログに、これらのプログラムなどへのリンクサイト、「科学コミュニケーション〜科学を伝える人たち」が作られていて、便利である。
しかし、それぞれのプログラムの「人材養成計画構想・概要」を読むと、「Problem Based Learning」、「アウトリーチ活動」、「イシュー領域」、など、多くの市民にとっては意味がよくわからない表現が並んでいる。文部科学省のウェブサイトに掲載する、国民向けの説明がこれでは、「科学コミュニケーション」の名が泣くぞ。
東大の「人材養成計画構想・概要」が一番平易である。しかし、あまりにも常識的なことしか書いてないので、読んでもちっとも面白くない。
ともあれ、3つのコースがスタートした。その成り行きに注目したい。
東大の「科学技術インタープリター養成プログラム」については、駒場のTくんが「にっき」で、友人の受講について、「受講者って十数人しかいないんだよねえ。そんな少数精鋭に選ばれたなんてすごい。おめでとう。養成プログラムは最近本当にいろんなところで話題になってるよねえ。錚々たる教員メンバーも魅力的。瀬名秀明、・・・」と書いていたことで知った。
受講生の誰かが、講義の内容を徹底して情報公開してくれないかと期待していたら、瀬名ブログで、「トラックバック」作戦が始まった。
今朝、通勤電車の中でチェックしてみると、3件のトラバが届いていた。これから先が楽しみだ。
受講生にはぜひ、このプログラムの講義を「評価」してほしい。「評価」とはけなすことではない。どのような問題点があり、どうすれば改善されるかを建設的に提案することだ。
「科学技術インタープリターとは何か?」という問いには、正解はない。これからどういう人材が育ってくるかで、答えも変わってくるだろう。
さて、4ギガのファイルのコピーが終わった。明日からの全国行脚に「関係ありそうな」ファイルを一括コピーしたら、結構時間がかかってしまった。さぁ帰ろう。

土曜:長崎グリーンヘルパー養成講座
日曜:伊都キャンパス公開講座(これから準備)
25日:生態学I講義(これから準備)
26日:少人数ゼミ(これから準備)
28日:北川研究報告会(これから準備)
30日:北川シンポジウム講演(これから準備)
31−:日米セミナー(ポスター発表:これから準備)

あぁ、たいへん。