若手研究者は社会常識と創造性に欠ける?

文部科学省のウェブサイトに、「我が国の研究活動の実態に関する調査報告」が掲載されている。
1,024名(民間企業402名、大学等364名、公的研究機関等175名、その他83名)に対するアンケート調査の結果である。
この報告によれば、若手研究者は「専門分野の知識」は高いが、「課題設定能力」、「社会常識」、「創造性」などは低いという集計結果となっている。しかし、「古手研究者」についても同じことを聞いて比較しないと、若手に限ったことかどうかはわからない。
また、若手研究者の素養・能力の向上には「小・中・高等学校における教育内容の充実」が有効という回答が半数を超えた。「大学・大学院教育の改善」がこれに続く。自分で負うべき責任も自覚はしているが、せめてもう少し基礎学力をつけてから大学に入学してほしい、という気持ちは、理解できる。入試で生物をとっていない学生は、タンパク質とDNAの違いを知らないし、一方、入試で物理をとっていない学生は、初歩的な力学すら知らない。これでは、大学教育は大変である。
研究者なるきっかけに関して、女性では「親・家族・親戚」という回答が目立って多いのが面白い。全体としては、「大学時代の恩師」という回答が多い。襟を正そう。