雨の日でも飛ぶスズメガ

ハマカンゾウ24株とF1雑種(キスゲ×ハマカンゾウ)12株をランダムに配置した実験集団で、ポリネータの訪花行動を観察している。
しかし、連日の雨。
しかも、毎日、大雨の予報。
実際に、全国で、相当の被害が出ている。
これでは、ポリネータの訪花行動の観察は、到底無理だ、と思うなかれ。
昨日も、今日も、スズメガはしっかりと実験集団にやってきて、花に訪れ、吸蜜した。
今日は、雨脚が強く、観察は無理だとあきらめかけていた。しかし、7時すぎから雨があがり、空が少し明るくなった。すると、7時半ころからスズメガが頻繁に実験集団にやってきて、花に繰り返し訪問した。3日間の観察を通じて、訪問数は一番多かった。
8時に観察を打ち切り、36株から柱頭を採集し、すぐに実体顕微鏡で、チェック。スズメガが訪問した花の柱頭には、鱗粉がついている。この事実から、翅が柱頭に触れていることが確認できる。
しかし、肝心の花粉がついていない。
圃場にいるスズメガ(種は未同定)の体型が、実験に用いた花にマッチしていないのだろうか。
それとも、雨でやくが濡れていて、花粉が翅につきにくいのだろうか。
ともあれ、今日のように悪天候の日でも、データがとれている。
梅雨が明ければ、花粉の移動も確認できるものと、期待しよう。
今日は、過去2日よりは、ハマカンゾウの花に訪問する頻度が高かった。印象としては、ほとんど選り好みをしていないように感じた。
しかし、鱗粉がついていた花の数は、ハマカンゾウでは7/24、F1雑種では6/12で、明らかにF1で多い。明日、ビデオの映像から訪花回数を集計すれば、訪花回数での差も明らかになるだろう。
初日のビデオに、モンキアゲハの訪花の様子が映っていた。こちらは、ハマカンゾウの花ばかりを訪問している。ハイビジョンカメラ万歳!
実験・観察の合間には、学振POの次回の会議に向けて、生態・分類・進化学関連分野の研究動向に関する文書を作成した。ほぼ9割を書いた。明日中には仕上げて、いろいろな人に送って意見を聞く予定。
早朝から夜まで、圃場の仕事とデスクワークを掛け持ちすると、さすがに疲れる。
今夜は、チューハイ。ほどよく酔ったので、気持ちよく眠れそうだ。