心理的本質主義

K省に、ファイルを送信し、一件落着。しかし、ほっとする間もなく、N区役所から、シンポジウムの講演資料の督促。今夜中に送りますと返事した。今日も、もうひと頑張りしよう。
気分転換に、「心理的本質主義」をキーワードにgoogleを検索してみて、驚いた。たった9件しかヒットしなかった。日本では、この考え方はまったく紹介されていないようだ。
leeswijzerさんのサイトが4件ヒット。4/9=約4割だよ〜。このうち次の2つは、ウェブで読める、ほとんど唯一の「心理的本質主義」紹介ですね。
クラスター分析の光と闇―なぜヒトは分類に憑かれるのか?
インテルメッツオ
心理的本質主義」は、もともとは自然類natural-kindsのカテゴリー化について提唱されえた考え方だが、最近では、社会的カテゴリーにまでこのアイデアを拡張しようという研究が進んでいる。 社会的カテゴリーの本質に関するしろうと理論(1)は、この方向での研究の一例。社会心理学会大会での研究発表だが、ウェブ上で、パワーポイントが公表されていた。大学生198名に対するアンケートによる研究。ちょっとサンプル数が少ないなぁ。
英語圏では、昨年、次の本が出ていた。良さげな本なので、さっそく注文。
Susan A. Gelman (2003) The Essential Child: Origins of Essentialism in Everyday Thought (Oxford Cognitive Development Series)
手際の良い書評がhuman-nature.comに出ていた。言語と本質主義の関係については、第8章で詳しく検討されているようだ。この章の紹介の中に、Language is not essential for forming categories (e.g. pre-linguistic infants can form categories) という文章を見つけた。この「essential」という表現は、意図して使ったのかな? それとも、essentialという言葉には、「Essentialism」について注意深く考えている心理学者ですら、つい使ってしまう「魔力」(心理的傾向を呼び覚ますcue)があるということか?
さて、シンポジウムの講演の準備にかかろう。

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