還暦

60歳になりました。定年まであと5年11カ月です。
今年度の大きな仕事は、「決断科学大学院プログラム」を軌道に乗せることです。「軌道に乗せる」とはどういうことかというと、現在採用している51名の学生(昨年度に中途採用した31名に加え、今日新たに20名を採用)全員が、このプログラムをとって良かった、このプログラムで成長できたと思える状況を作ることです。ビジョンは明確なのですが、まだ各モジュールでのプログラムの進め方が十分には具体化できていません。いま、その具体化を進めています。今日も健康モジュールと環境モジュールのセミナーに出て、議論に加わります。
人を育てるプロジェクトですから、セミナーに出て、学生やスタッフと直接話をして、お互いに高めあっていく過程が大事だと考えています。
採択時点での評価がきわめて高かったにもかかわらず、今年度は約6000万円予算を減らされました。そのため、「決断科学基金」を作る準備を進めています。独自の予算を確保し、それを使って学生の活動を支援する道をひらきたいと思います。
自分の研究では、あと2年となった環境省のS9(アジア規模での生物多様性観測・評価)プロジェクトでの、東南アジア植物多様性評価というテーマをさらに発展させたいと思います。ポスドクのT君らの活躍で、世界的に類例のない大規模データが蓄積されてきました。このデータを使って、「植物多様性はなぜ赤道直下で高いのか?」という疑問について研究を深めたいと思います。いくつかアイデアがあるのですが、まだ解析に着手できていません。解析の前に、分類学的な研究をもうすこし詰める必要があります。