第2次安倍内閣発足

選挙直後は、私は新内閣の支持率は低率スタートになるものと思っていましたが、この間の状況の変化を見ると、60%台後半のかなり高い率になるだろうと、予想を修正しました。第一に、外交において韓国・中国との関係改善を意図した現実路線を選択する方向性がはっきりしたので、外交関係のさらなる悪化を危惧していた人たちをかなり安心させました。第二に、市場が好感を示し、株価があがり、円安傾向になっています。これがいつまで続くかはわかりませんが、現時点では良い結果が出ています。第三に、内閣の要所に経験豊富な人材を配置し、危なげない人選をしました。菅新官房長官が、「これは自民党にとって最後のチャンス。この内閣で失敗すれば、自民党は終わる」と発言していたことが印象に残りました。選挙で大勝したといっても、自民党への支持が回復したわけではなく、民主党が自滅しただけです。夏の参院選までに新内閣への失望がひろがれば、今回の民主党の敗北は、明日の自民党の姿でしょう。そのことを幹部はわかっていますね。選挙戦を通じて、支持回復の手ごたえがほとんど感じられなかったのでしょう。その結果、「お友達内閣」と揶揄された第一次安倍内閣とは異なり、安定感のある組閣をしました。これら3点から、第2次安倍内閣を警戒していた他党支持者や、あまり期待していなかった無党派層から、かなり支持を集めそうです。民主党への失望の反動もあって、支持率は少なくとも60%は超えるでしょう。ひょっとすると、70%の大台に乗るかもしれません。しかし、大きな期待を集めすぎると、その後の支持率低下が目立ってしまうので、ほどほどの支持率でスタートするほうが、新内閣としてはむしろやりやすいと思います。
いずれにせよ、落ち着いた政治をしてほしいというのが、多くの国民の率直な期待でしょう。民主党政権は、良いこともいろいろやったのですが、ガバナンスがあまりにお粗末でした。