ずばぬけて高いスマトラ熱帯林の植物種多様性

えびの高原での野外実習も4日目を終了。森林植生班とマルハナバチ班の指導をしている。森林植生班では、熱帯アジアの調査で採用している100m×5mのトランセクト調査法を使って、樹種の垂直分布と多様性のパターンを比較している。スマトラ熱帯林を見てきた直後なので、日本の森林との間の多様性の違いに、あらためて驚かされる。
九州本島では、100m×5mあたりの種多様性が100種をこえることはない。屋久島でも、高々120種程度。しかし、カンボジアBokor国立公園の熱帯林では、200種をこえる植物種が出現する。しかし、この多様性ですら、スマトラには及ばない。先月調査した西スマトラの熱帯林(標高600m付近の山地熱帯林)では、なんと約400種の植物種が出現した。ボルネオの調査は自分ではまだ経験がないが、ぜひ比較してみたいものだ。