谷垣提案「復興税」は愚策

この件についてのコメントを明日に先送りしたくないので、書いておく。この機会に増税して少しでも国債を減らそうという考えは、民よりも財政を重んじる発想だ。
この非常事態に、国債残高を気にしても仕方がない。「非常時なので、国債を増やしても必要なお金は用意する、まずは財政よりも生活をたてなおすことが先決だ」と宣言して、被災者を含む国民を安心させることが重要だろう。一ドル80円台の円高状態だから、円が少々たたき売られても、心配することはないと思う。円安を願っている企業も多い。どんどん復興工事をして、仕事を増やし、ライフラインを早急に復旧させるべきだ。ある意味では、デフレを脱却するチャンスなのだ。どん底の状態から急ピッチで復旧が進めば、希望が生まれる。しかしここで増税の話を進めれば、国民の心理はさらに冷え込んでしまうのではないか。
さらに円高に動きそうな市場を見て、15兆円を緊急投入した日銀はエライ。この強いメッセージのおかげで、円高の動きは止まった。あとは政府の仕事だ。いまは増税の議論をしているときではない。政府には、消費税や復興税論議を棚上げにして、復興事業に大胆に予算を投入してほしい。いま国民は、政府の強いメッセージを待っている。