復興資金には日銀金庫の現金を使え

金曜日には日本学術会議の緊急集会に出た。原子力放射線医学の方の話では、あまり新しい情報は得られなかったが、社会科学の方からいくつか興味深い話が聞けた。復興支援に関しては、阪神淡路大震災と違って広域的なので、対抗支援方式が有効だという指摘には、なるほどと思った。特定の自治体が特定の自治体を支援する方式だ。地名に「福」がつく縁を考えて、福岡県は福島県を、福岡市は福島市を支援してはどうだろう。
経済学の方からは、以下のような提案があった。いま、提言を準備されているとのこと。発表が待たれる。

(復興には)短期的に超法規的措置をとってお金を流す必要がある。日銀の金庫には七十兆円の現金があるのでこれを使えば良い。国会で補正予算を通せば、2週間程度で(日銀の現金を)出せる。インフレの問題は心配しなくてよい。家がたくさんなくなって、お金自体がなくなっている。たんす預金程度を被災者に配ってもインフレを招かない。さらに、復興目的の国債を発行して民間のお金を集めることも有効だ。

「お金自体がなくなっている。たんす預金程度を被災者に配ってもインフレを招かない。」という指摘には、目から鱗が落ちた。国の財政運営と、企業の経営は違う。災害でお金が消えたときには、日銀の金庫から出せば良いのだ。いま、復興税を考える必要はない。非常時の対応を急ぐべし。日銀の金庫から現金を放出し、復興事業の資金にあてるとともに、たんす預金程度を被災者に配る案に賛成!
なお、子供手当や高速道路無料化も、一時中止すればよいと思う。いまは選挙公約にこだわっているときではない。棚上げにして、復興対策を急ぐべきだ。そもそも子供手当という政策は、公共投資をしようにも、有効な投資先がない状況で考え出された政策だ。大きな災害によってケインズ的政策が有効な状況が生まれたのだから、この状況に適合する政策にシフトすべきである。