ナガバノウナギツカミ

yahara2006-10-20

宮崎県北川町の植物調査から戻り、DIVERSITAS国際会議招待者からのメールに急いで対応したところ。
宮崎県北川町では、大規模河川工事や、土地整備事業などを経て、植生や植物相が大きく変化している。その変化を毎年モニタリングしている。
北川町家田や川坂の湿地では、ナガバノウナギツカミ・サデクサなどがちょうど花盛りである。いずれも九州では非常にめずらしい種で、現存しているのは北川町だけかもしれない。宮崎県レッドデータブックでは絶滅危惧種として掲載されている。
大阪府レッドデータブックでは準絶滅危惧種滋賀県レッドデータブックでは希少種としてリストされているので、これらの府県では各地にまだ自生が見られるようだ。しかし、おそらく近畿以外の地方では、CRランクだろう。
写真は、ナガバノウナギツカミの花。ナガバノウナギツカミの特徴は、花柄に腺毛が密生していること。アキノウナギツカミに比べ、花の色が濃く、クローズアップで見るとなかなか綺麗な花である。名前がまぎらわしいホソバノウナギツカミは、水辺に生え、葉が薄く、花はもっと貧相である。
写真では、訪問者を待ち構えるクモが左手に隠れている。もしこの写真のクモが同定できる方がいらっしゃれば、ぜひご教示ください。