育種学会シンポ「稔性回復遺伝子の多様性と進化」

昨日(日曜日)は、滋賀県立大学で開催された育種学会シンポジウムで講演した。先週の筑波に続き、2週連続の高座。まだ時差がとれていないのだが・・・。
Mさん、育種学者のTさんと一緒にハマダイコン野生集団での細胞質雄性不稔遺伝子の頻度を調べた論文を発表したのが2004年。あれからわずか4年の間に、稔性回復遺伝子の分子的実態が解明され、細胞質が関与した雌雄性の進化の研究に、新しい可能性が開かれた。
育種学会シンポでは、核の稔性回復遺伝子に関して、イネ・テンサイ・ダイコンでの最新の研究成果を勉強させていただいた。テンサイやダイコンでは、稔性回復遺伝子が遺伝子重複で多様化している。とくにダイコンでは、タンデムに並んだコピー間でしばしば不等交叉が起きて、変異が生じるようだ。野生集団での進化動態を調べると面白そうだ。育種学の研究は、栽培作物中心とならざるを得ない。生態学や進化学の基礎研究者が育種学者と協力して、野生集団の研究を進めるべきだと思う。
今日は、昼すぎに大学に戻り、夜9時すぎまで授業の準備。それから大学院生と少し議論をして、いま、帰宅途中の地下鉄車内。
時差がとれるまでは、どうしても寝不足が続く。さすがに疲れがたまってきた。のどにやや違和感があるが、ここで風邪をひくわけにはいかない。今夜は眠れますように。