DIVERSITASの会議終了

yahara2007-03-31

今日は、2つの講演のあと、3つのグループに分かれて討論をした。テーマは、生物多様性に関して、IPCC気候変動に関する政府間パネル)のような、科学者が中心的な役割を果たすパネルをどのように組織するか、という難しい問題である。私には、何をどのように考えれば良いか、筋道が見えない。しかし、参加者の多くは、論客である。私は、国内では科学の周辺領域の社会的問題に関して、日ごろから考えてもいるし、発言もする方である。しかし、国際組織をどう作るかという問題になると、手がかりがつかめない。
日本政府のサポートはまず得られないだろうというネガティブな発想が脳裏からはなれないし、「外交問題」に対して論陣をはるだけの英語力もない。いやはや、疲れた。
私は新たな組織は作らずに、IPCC生物多様性問題への取り組みを強めるようにはたらきかけるのが良いのではないかと考え、そのように発言したが、支持者はいなかった。新しい組織を作ることに、情熱を傾けようという人が多い。
「大変な仕事だが、IPCCだって国際的に発言力を持つまでに10年かかった。いまわれわれが行動を起こすことが、将来を変えるだろう。ひるまずに、最初から大きな組織をめざそう。」・・・というような感じ。このような姿勢でがんばろうという参加者が多いことには尊敬の念をいだくが、私にできることは限られている。
昼食を急いで食べて、Table Mountainに向かって山道をかけ登った。林の中を歩きながら、生物多様性について議論するよりも、実際の生物多様性にふれているほうが私にははるかに楽しいことを実感した。
道標にSkelton Gorgeという地名を見つけ、その方角をめざして歩いた。水がしたたる滝を過ぎたところで、Skelton Gorgeへの登山路を発見し、岩壁が間近に見えるところまで登ったが、時計の針は2時15分をさしていた。2時半から午後の会議が再開されるので、やむなく引き返した。来た道を走って戻ったが、会議に15分遅刻してしまった。
写真は途中で見たプロテアの一種。種名はまだ調べがついていない。