外来植物公開セミナー

科学技術振興調整費による外来植物プロジェクトの公開セミナーにコメンターとして出席し、セミナー後の飲み会に出たあと、帰宅途上の地下鉄車中で書いている。長時間つきあう予定では無かったのだが、議論が面白くて、つい長居をしてしまった。もう11時をまわっている。
このプロジェクトでは、造園学、草地学、土壌肥料学など、農学系諸分野の、志の高い中堅・若手が集っているという印象を持った。分野の垣根を越えて、より高い水準をめざそうとする熱気があふれていて、とても頼もしく感じた。
日本生態学会大会では、自由集会という枠で、幅広い分野の交流を促す場がある。この自由集会の場を利用して、外来植物や生物多様性に関心を持って研究しているさまざまな分野の交流の場を持とうという話で、盛り上がった。次回の愛媛大会で、具体的な企画が実現すると思う。楽しみである。
また、分野の垣根を越えて徹底した議論を交わす場として、種生物学会の存在意義を高く評価してくださる意見を聞いて、とても嬉しく思った。次回のシンポにもぜひ参加しますという言葉をいただいたが、私は別の用務のために参加できない。残念至極だ。
ちなみに、このプロジェクトの代表者のFさんは、京大時代に、「種の起源」のゼミで一年間、苦楽をともにした仲である。このゼミを最後までやりとげたのはたった4人だった。それ以来約30年間、互いに別の道を歩み、それぞれの分野で実績を築いた後で、再び関心を共有し、公開セミナーの場で議論を交わす機会を得た。実にありがたい邂逅である。目先の実益にとらわれずに、興味を持ったテーマについて徹底して追及するという経験をすることが、いかに大きな財産となるかを、あらためて感じ入った次第である。