酒蔵でのミーティング

浜地酒造の酒蔵で、「九州大吟醸」についてのミーティング。まず、「元岡里山物語」のお披露目(またかよ)。次に、この間の経過説明。「九州大吟醸」お披露目会は、3月5日に、浜地酒造でやることになりそうである。さて、今日の本題。「九州大吟醸」の売り上げを里山保全のための基金に活用するという構想を、どう具体化するか。私から、自然再生事業を想定して、元岡・桑原地区の自然再生協議会を作り、どのような目標で自然再生を進めるのかについて合意形成を進めてはどうか、という提案をした。基金との関係が議論になった。私からは、以下のように説明した。
協議会の役割は、どのような目標で自然再生をするかについて合意をつくることにあり、その目標を達成するための資金は、「多様な主体」がそれぞれに努力して準備することになる。「九州大吟醸」の基金については、環境創造舎の判断で使い方を決めれば良い。協議会全体に相談しなければ使えないということではない。
このような議論を経て、自然再生協議会を作ることに、全員の賛同が得られた。今後は、大学や市・区に、協議会方式への賛同・参加を求め、4月スタートを目標にしようということになった。私の役回りとして、まず14日に開催される緑地管理WGに、協議会方式の提案をし、大学としての立場を検討する。
最後に、どんな自然再生をめざすかについて、協議会を待たずに、少し議論を始めてみた。私からは、元岡側斜面の保全緑地は、「生物多様性研究ゾーン」という位置づけになること、ただし、狭い意味での研究だけに使うのではなく、新しい形での里山の利用を通じて、森と人の関係を復縁し、森と人のふれあいを通じて、里山の自然を再生していくゾーンにしたいという説明をした。「新しい形での利用」の案として、「植物園」をあげた。もちろん、園芸植物を植えこんだ植物園ではなく、里山の植物を用いた、里山のための植物園である。
農学研究院のH松さんからは、ヤマツツジが咲き乱れる里山を復活させたいという提案があった。H松さんに言わせると、ヤマツツジの花は、「酒赤色」。花見酒で、人の顔も「酒赤色」に染まる。「飲めば飲むほど森が増える」プロジェクトにふさわしいビジョンだ。
浜地さんから、子供たちに九大の学生・スタッフと一緒に自然体験をさせたいという意見があり、全員うなずく。次の世代に良い自然を渡していこうという呼びかけは、多くの人の共感を得るに違いない。
ミーティングのあとに、「九州大吟醸」のタンクを見せていただいた。タンクの蓋を開けると、吟醸酒独特の香気があたりにズンと漂う。濃くたまった香りの塊にふいうちをくらった感じだ。米と麹から、こんなにも濃密な香りが生まれるものか。、
蔵出しの雰囲気に乗せられて、浜地酒造の吟醸酒「霞蔵」を買ってきた。香りとぴりりがしっかりした春酒である。さて、「九州大吟醸」は、どんな味になるのだろう。あと数日で、その答えが出る。